1990年代初頭、葉山の海の家"Oasis"に集う仲間によって結成されたシンガー・レスのレゲエ・バンド、Home Grownのデビュー・アルバム。ジャパニーズ・レゲェのパイオニアとして彼らをリスペクトする三木道三、PUSHIM、MOOMIN、KREVA、PAPA-Bなど、メジャー、インディーの第一線アーティストが参加。ルーツあり、ダンスホールあり、湘南の優しさがあふれた"ホーミー"な生音によるサウンドを収録。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
海開きを待ちわびてビーチに集うように、ゴージャスなヴォーカリスト/DJが集結。ナンバーワン・レゲエ・バンド初の単独作は、レゲエ・シーンのみならず日本の音楽シーン全体に影響力を与えてしまうような、多彩なヴァリエーションを見せつけている。オープニングは総勢9名のマイクリレーが繰り広げられる“Oasis”(彼らが結成された場所にもなった葉山の海の家の名前でもある)。気の置けない友人たちが集まり、自然と音楽が湧き出てくる……そんな現場の空気を描いたフレンドリーなアンセムだ。ほかにも、切ない三木道三節が健在の“I Say”のリメイクといったソロ、そしてKICK THE CAN CREWのKREVAとNG HEADがスリリングなバトルを繰り広げる“Zubi Zubi 24/7”、さらにスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ“Ooh Baby Baby”のカヴァーではBOOGIE MANと有坂美香が甘くユーモラスなコンビネーションを披露している。そうした歌を引き立てるリディム・メーカーという側面だけでなく、インストゥルメンタル・ナンバーにおけるバンドとしての充実ぶりにも注目してほしい。バンド名の由来ともなったアール・チナ・スミスの“Home Grown Song”、意外なところでは渡辺貞夫“Calfornia Shower~Maanin' Oasis”のカヴァーには真夏の明け方に漂う清々しさがある。満を持してリリースされた彼らのデビュー作『Home Grown』は、レゲエ・ミュージックの持つタフネスと包容力、そしてアットホームな温かさという魅力を伝えてくれる。
bounce (C)駒井憲嗣
タワーレコード(2002年7月号掲載 (P88))
レゲエDJやシンガーが次々に登場してノンストップで展開されるスタイルのショウでは、ひとつのバンドが延々と数時間に渡り伴奏を務めることが多い。それをこなすには肉体的なタフネスも不可欠だが、あらゆるレパートリーに対応する柔軟なセンスと高い演奏力、そしてDJやシンガーとのコンビネーションが重要になってくる。たとえば、盛り上がりが足りないと、フロントマンが自在に演奏を止めて客を煽る……なんて光景がライヴでよく見られるけれど、そんなやりとりもバンドへの信頼があってこそ成立するものなのだろう。葉山の海の家、Oasisに集まる面々によって90年代初頭に結成されたHome Grownは、いまいちばんの信頼を集めるダンスホール・レゲエ・バンドだ。各地で開催されるイヴェントの多くで彼らの姿を見ることができるのはもちろん、三木道三、MOOMIN、PUSHIM、Keycoなど、さまざまなアーティストのレコーディングをバックアップ。そんなHome Grownの初アルバムへの参加陣の多彩さは、シーンからのリスペクトの厚さを物語る。本作を全編聴き終えたときの充実感は、長丁場のイヴェントを楽しんだあとの感覚とまるで同じだ。それは言い換えれば、いつも楽しんでいるライヴが、フロントに立つ者のキャラクター的魅力のみならず、グイグイ引き込まれるバンド・サウンドによる部分が大きいことを証明している。Home Grownがシーンに貢献しているもののデカさを、あらためて実感させる作品だ。
bounce (C)宮内 健
タワーレコード(2002年7月号掲載 (P88))
特に三木道三との『I Say』、NG HEADとKREVAとの『Zubi Zubi 24//7』が素晴らしい。
テーマソングとも言える『Oasis』も夏のアンセムになったね☆