長谷川陽平&JBLによるセレクション!!激動の80年代、"新しい波"にフォーカスを当てた大韓シンセ歌謡のオムニバス!
数多くのDJにも愛される大韓シンセ歌謡の超人気曲「Wicked Nolboo」、韓国のマイケル・ジャクソン?的な「Don't Say It」、クラフトワークを思わせる「True Love」などを収録、これはやばい!!
韓国にとって1980年代は、「ソウル、コリア」という言葉とともに始まった。政治的混乱のただなかにありながらも、次回のオリンピック開催地に選ばれたことで、社会全体には確かな希望の空気が漂っていた。「新興国」という段階を超え、「先進国」へ到達したいという願望は、芸術やカルチャーの現場にも広がっていった。
歌謡界は、1975年の大麻事件と抑圧的な「歌謡浄化運動」によって暗黒期を経験したばかりだったが、新しい10年の到来とともに、ようやく足場を取り戻しつつあった。趙容弼(チョ・ヨンピル)の新たな出発を告げ、彼が1980年代を支配することを予感させたシングル「Short Hair」には、否定しようのない"感覚"が宿っている。その"感覚"は、1970年代の終焉を宣言するもののようだった。そしてその感覚は、韓国ポップ・ミュージック全体へと広がっていった。
ポップスの影響を受けた新世代の若者たちが台頭し、音楽の消費経路も多様化していく。1982年1月、夜間外出禁止令がついに撤廃され、夜の街に光が戻った。その多くはナイトクラブのネオンサインによるものだった。人々はダンスのため、出会いを求めて、あるいは音楽を楽しむためにクラブへと集った。ダンスには音楽が不可欠であり、恋愛の場面では心地よい背景音にもなった。そして、音楽そのものを求めて来た人にとっては、それだけで十分だった。
こうした需要を満たすため、クラブは適切なDJを必要とした。ナイトクラブDJは、最先端の音楽を最初に伝えるメッセンジャーだった。誰がより新しい楽曲を手に入れ、より多くの客を踊らせられるかをめぐって、競争は熾烈だった。当時(1980年代初頭)に活動していたDJたちは皆、来韓した外国人DJたちの「ミキシング」技術に衝撃を受けたと口を揃える。これにより、韓国のDJたちも、選曲をショーのような形式で提示するようになっていった。トラック間のおしゃべりは減り、より多くの音楽がその隙間を埋めるようになった。江南ではユーロ・ダンスが流行する一方、梨泰院ではブラック・ミュージックが多くかかっていた。1980年代初頭から先導的役割を果たしてきたDJたちは、1990年代になると、自然な流れでプロデューサー、ミュージシャン、マネージャーへと成長していった。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2026/04/03)
音楽がより多く流れるようになったとはいえ、すべてを自由に楽しめたわけではない。悪名高い事前検閲制度は依然として存在し、問題ありと判断された楽曲は正規盤から削除された(たとえば、クイーンのレコードなのに「Bohemian Rhapsody」が入っていない、という具合だ)。政府は表向きには国際化を進めているように見せつつ、実際には世界基準に反する措置を維持していた。体制に対するごくわずかな反抗性や反社会性の兆しでさえも抑圧され、その状況は第5共和国が崩壊する1987年まで続いた。当然ながら、何が「反体制的」「反社会的」とされるかは、完全に恣意的だった。その一方で、政権は「3S政策(スクリーン、セックス、スポーツ)」を推進していた。エロティックな映画が溢れるなかでも、社会は表向きの品位を保とうとしていた。まさに1980年代とは、矛盾に満ちた、不気味な時代だった。
この不気味さ(uncanny)は、《HODORI ROCKS: Uncanny New Wave Sound from the 88 Olympic Land》全体を貫いている。もっとも、「uncanny」という概念は必ずしも否定的なものではない。英語で近い表現を挙げるなら、「freaky」や「weird」だろう。では、何をもって「奇妙」と言えるのか。イ・ジェミンの「My Lover's Name」を除けば、本作の収録曲の多くは知名度が高いとは言えない。当時の主流の歌謡からは距離を置いていたが、いわゆる「アンダーグラウンド」でもなかった。これらは、新時代の波を体現した新しい音であり、明確にメインストリームに属するミュージシャンたちによって生み出されたものだった。言い換えれば、《HODORI ROCKS》は文字どおりの「韓国ニューウェイヴ・サウンド」の集成である。ここで言うニューウェイヴとはジャンルの名称ではない。まさに「新しい波」そのものだ。
例えば、チャン・ヘリの「True Love」は驚くべき楽曲だ。クラフトワークを思わせるサウンドを巧みに下敷きにしつつ、彼女のヴォーカルによって、不気味なほど"韓国的"な感触を獲得している。Korea Fantasyによる「Seoul at Night」は、ヴォーカルやサウンドから明らかにペット・ショップ・ボーイズの影響が感じられる。盗作疑惑はさておき、チャンの最初のヒット曲「Ballad of Memories」も、あるビリー・アイドルの楽曲から大きな影響を受けている。このような試みは、1980年代の韓国で広く行われていた。
本作に収められた楽曲は、音楽的に完璧なものではない。リリース当時は、その奇妙さ故に眉をひそめられ、すぐに忘れ去られたものも多かっただろう。今日聴いてもなお奇妙に響くが、今では異なる光のもとで評価することができる。《HODORI ROCKS》は、1980年代という時代に存在した一つの潮流を追っている。音楽は時代を反映するものであり、これらの楽曲は、アメリカ、ヨーロッパ、日本で流行していた音楽の影響を受けつつ、「同時代的でありたい」という音楽的渇望を反映している。しかし同時に、不可避的に韓国固有の要素が持ち込まれ、結果としてオリジナルとは異なるスタイルが生まれた。それを「Korean New Wave - Hodori Rocks」と呼んでもいいだろう。
《HODORI ROCKS》には、憧れ、日常性、そして新しさが同居している。だからこそ、不気味なのだ。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2026/04/03)