阿部加奈子、地元オケ関西フィルとの初共演・初録音
随所にちりばめられた鮮烈な仕掛けと圧倒的な推進力
古典名曲の神髄を味わい尽くす雄弁・熱弁の白熱ライヴ!
まさにモーツァルトの短調とベートーヴェンの長調の「神髄」を聴くようなプログラム。「古典の神髄」と題され2024年7月に行われた阿部加奈子と関西フィルによる初共演のライヴ録音盤です。フランスやオランダを拠点に主に現代音楽の分野における作曲・演奏で活躍してきた阿部は大阪出身。記念すべき地元公演で自身の音楽語法を存分に発揮、単なる名曲集では片づけられない衝撃的な演奏を披露しました。
常に推進力あふれるテンポと明るい響きに満ちていながら、強弱やフレージング、アーティキュレーションにかなり手を入れており、聴き手をはっとさせる様々な仕掛けが随所にちりばめられています。その仕掛けがブレーキにならずむしろ音楽のテンションをあげ、同時に細かなところへ瞬間的に耳を傾けさせることで作品の空間を拡げ、没入度を高めてくれます。
生き生きとした伴奏音型と大きな歌心ある主題で始まるモーツァルトの40番は、曲が進み対位法の充実度が増していくと音楽の勢いが俄然増していきます。第3、4楽章における引き締まった多層構造の強烈さと雄弁さ!
ベートーヴェンの7番ではどこまでも堆積していくリズムが生みだす重量感がみごとで、ティンパニや低弦は荒々しいほど豪快。それでいて綿密な計算のもとに堂々と到達するクライマックスが圧倒的です。脈打ちながら寄せては返す第2楽章の心地よさも忘れがたいものがあります。
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発売・販売元 提供資料(2026/02/13)
<阿部 加奈子(指揮、作曲)>
オランダ在住。東京藝術大学音楽学部作曲科を経て、パリ国立高等音楽院にて作曲に関連する6つの課程とともに日本人として初めて同音楽院指揮科で学び、フォンティス総合芸術大学大学院指揮科(オランダ)にて修士号を取得。
これまでに作曲を永冨正之、管弦楽法をマルク=アンドレ・ダルバヴィ、楽曲分析をミカエル・レヴィナス、ピアノと伴奏法をジャン・ケルネル、指揮をジョルト・ナジ、ヤーノシュ・フュルスト、ファビオ・ルイージ、エティエンヌ・シーベンスなどに師事。
パリ国立高等音楽院在学中より、ヨーロッパを活動の拠点に、指揮者、ピアニスト、作曲家として多方面で活躍する。2005年にはパリ管弦楽団やアンサンブル・アンテルコンタンポラン等のメンバーからなる現代音楽アンサンブル「ミュルチラテラル」を創設、2014年まで音楽監督を務める。また、その間にチューリッヒ歌劇場やモンペリエ国立歌劇場でファビオ・ルイージ、エンリケ・マッツォーラ、ロレンス・フォスター等のアシスタントを務める。これまでにギャルド・レピュブリケーヌ管、イル・ド・フランス国立管、モンペリエ国立管、ロレーヌ国立管など、日本国内では東京フィル、新日本フィル、兵庫芸術文化センター管などと共演している。
2022年7月、ブシュラ・エル=トゥルクのオペラ「Woman at Point Zero」の世界初演でエクサン・プロヴァンス音楽祭、2023年6月にコヴェントガーデン王立歌劇場、2024年5月にウィーン芸術週間に、2025年8月にフィンランド国立歌劇場、また2025年3月にブシュラ・エル=トゥルクの新作オペラ「OUM」の世界初演でオランダ国立歌劇場にそれぞれデビューを果たす。2024年1月に藤原歌劇団・グノーの歌劇「ファウスト」にて日本・オペラデビューを果たす。
これまでにIRCAMとの提携、ラジオ・フランスへの録音をはじめ、ストラスブール音楽祭、ヴェネツィア国際現代音楽祭などで200曲以上の世界初演の指揮を手がける。また近年では作曲活動にも復帰し、2025年11月に横浜みなとみらいホールからの委嘱作品「風の睦び~オルガンとオーケストラのための3章」が世界初演される。
作曲家の視点に立った斬新な解釈や情熱溢れる演奏に定評があり、加えて軽妙なトークや波乱万丈の人生を語った読み物でも多くのファンを魅了している。現在、フランス・ドーム交響楽団の芸術監督兼音楽監督、アンサンブル・オロチの創設者兼音楽監督を務める。ハーグ音楽院非常勤講師。
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