オハイオ州出身、拠点にしていたカリフォルニア州オークランドから現在はブルックリンへと居を移したポスト・ロック×インディ・フォーク・シンガー・ソングライター、MARIA BC。クラシック音楽の素養に裏打ちされた緻密なソングライティングと合唱音楽を思わせる透明感あふれるヴォーカルを武器に、アンビエント・フォークの新たな地平を切り拓くドリーム・ポップを展開しています。
名門SACRED BONES RECORDSからの第2弾にして、通算3枚目のスタジオ・フル・アルバムとなる2026年作。2023年の前作『SPIKE FIELD』がひと繋ぎの長い呼吸のような静謐さを湛えていたのに対し、本作では制作の重心を録音プロセスから楽曲そのものの構築へと移し、よりダイナミックで多様性に満ちた一作へと昇華されています。
重厚なノイズの壁から可憐なヴォーカルが立ち上がるタイトル・トラック"MARATHON"をはじめ、浮遊感あふれるアコースティックな響きから混乱や幻滅を体現したかのようなグリッチの効いた歪んだトラックまで、極めて振れ幅の大きい音像が並ぶ全13トラック。畏怖の念を抱かせるような"THE SOUND"、切実な響きを伴う"SABOTAGE"、深い慈愛に満ちた"MAY THIS RAIN"など、環境破壊や個人的な喪失といった重層的なテーマが脆くも美しい旋律の中に編み込まれています。
西海岸各地を巡りながら執筆・録音された本作は、マクロな視点での文明論とミクロな個の感情を往来し、脆い地球上で生き続けることへの意志を提示。警告のようでもあり、同時に深い親密さを湛えた歌声がリスナーの意識を静かに、しかし力強く揺さぶる傑作です。
発売・販売元 提供資料(2026/02/03)