オレゴン州ポートランド出身のハードロック/ヘヴィ・メタル・バンドでボーカルとベースが女性の4人組、STAINLESSの1STフルアルバム。
STAINLESSは2022年に結成され、メンバーはBLACK BREATH、LONG KNIFE、NIGHTFELL、RIPPERなど、パシフィック・ノースウエストのアンダーグラウンド・シーンで活動してきた経歴を持つ人物によって構成されている。極端なジャンル志向に寄らず、ハードロックとヘヴィ・メタルの狭間にある感覚を重視している点が、バンドの大きな特徴だ。シングル「Snakebite / Too Hot To Steal」、ミニ・アルバム『Nocturnal Racer』を経て制作された本作は、STAINLESSにとって初のフルレングス作品であり、サウンドの幅と完成度が大きく向上している。レコーディングはポートランドのRed Lantern Studiosで行われ、ギタリストのJamie Byrum自身がプロデュースに深く関与。音像は過度に磨き上げられることなく、芯の太い生々しさを保っている。サウンド面では、70年代ハードロックのダイナミズムと、80年代ヘヴィ・メタルの鋼鉄的なエッジが自然に融合されている。AC/DCやACCEPTを想起させるリフ主体の楽曲構成は、ストレートでありながらも単調には陥らず、テンポや展開の変化によって楽曲ごとの個性が明確に打ち出されている。ギターは歯切れの良さと重量感を兼ね備え、ソロ・パートではライヴを意識した即効性のあるフレーズが効果的に配置されている。Larissa Cavaceceのヴォーカルは、本作のサウンドを決定づける重要な要素だ。Leather LeoneやWendy O. Williamsを彷彿とさせる、荒くザラついた歌声は、ハードロック的な色気とパンク由来の攻撃性を併せ持ち、楽曲に強い推進力を与えている。「Restless An’ Ready」のキャッチーさを筆頭に、「(Don’t Cross Me) Fool」や「Take A Listen Mama」など、楽曲ごとに異なる表情を見せつつも、アルバム全体として一貫したロック感が保たれている点も評価できる。本作はクラシックな影響を隠すことなく提示しながら、それを現代的なバンド感覚で再構築した作品であり、STAINLESSが今後さらに存在感を高めていく可能性を強く印象づけるデビュー・フルアルバムである。
発売・販売元 提供資料(2026/02/06)