ジュリアナ・バーウィック&メアリー・ラティモア声とハープが天空で溶け合うような、静かで深い「魔法」の記録
現代アンビエント/エクスペリメンタル・ミュージックを代表する二人、Julianna Barwick と Mary Lattimore。
それぞれがソロ・アーティストとして独自の世界を築いてきた彼女たちが、長年の友情と共演の延長線上で辿り着いた、必然とも言えるコラボレーション作品が『Tragic Magic』である。
Julianna Barwick は、声そのものを多重録音によって編み上げ、祈りや儀式を想起させるアンビエント・ヴォーカル作品で高い評価を獲得してきた作曲家。一方、Mary Lattimore はハープという古典的楽器を用いながら、ミニマルで現代的な感性を持つ作曲で、インディーからアンビエント、エクスペリメンタルの垣根を越えて支持を集めてきた。
二人はそれぞれソロとして世界各地で活動する中、2019年に共に来日公演を行い、日本でも強い印象を残した存在でもある。その後もツアーや共演を重ねる中で育まれたのが、互いの呼吸や間合いを自然に理解し合う"音楽的テレパシー"だった。
本作は、パリの Philharmonie de Paris にて、Musee de la Musique の歴史的楽器コレクションへの特別なアクセスを許された環境で制作された。
制作期間はわずか9日間。共同プロデュースは Trevor Spencer(Fleet Foxes、Beach House)。
2025年のロサンゼルス山火事直後にパリ入りした二人は、その体験や感情を抱えたまま、即興性を軸にセッションを重ねていった。
Mary Lattimore は 1728年から1873年にかけて製作された複数の歴史的ハープを選び、楽器そのものが持つ時間の重なりを音に刻む。
Julianna Barwick は Roland JUPITER、Sequential Circuits PROPHET-5 といった象徴的なアナログ・シンセサイザーと声を用い、浮遊感と精神性を作品に与えている。
7曲からなる本作は、声とハープ、電子音が自由に対話しながら進行する、静かな瞑想のような音楽だ。
悲しみや喪失を真正面から描くのではなく、それらを受け止め、変容へと導くプロセスそのものを音として結晶化している。
友情に根ざした親密さ、地上的でありながら宇宙的でもある感覚、そして世代を超えて受け継がれる芸術の力。『Tragic Magic』は、それらすべてを内包した作品として、二人のキャリアの中でも特別な位置を占める一枚となっている。
発売・販売元 提供資料(2026/01/13)