【オーストリアの名古楽オーケストラによるマンハイム楽派の重要な作曲家リヒターの交響曲集】
フランツ・クサヴァー・リヒターはモラヴィアに生まれ、1722年から27年にかけてモラヴィアのウヘルスケー・フラジシュチェのイエズス会で教育を受けました。おそらくイタリアなどで研鑽を積んだ後の1740年には、アルプスの麓の都市ケンプテンに移り、アンゼルム・ライヒリン・フォン・メルデック修道院長の宮廷で、副楽長、後に楽長として仕え、1744年にはパリで「12の交響曲」を出版するなど、名声を築き上げていきました。さらに1747年よりマンハイムに移り、作曲家、弦楽奏者、バス歌手として、名高いマンハイム楽団で活躍しました。若いころから晩年にかけて70曲以上の交響曲を作曲し、音楽史上では交響曲というジャンルの発展に大きな貢献をした作曲家です。
存命中から独創的で革新的な作風と評されていたリヒターの交響曲は、このジャンルの黎明期ということもあり、さまざまな創意工夫が施された実験的とも言える作品も含んでいます。このCDに収録された変ロ長調の交響曲は、ケンプテンからマンハイムへの移行期にあたる1744年から1752年にかけて作曲されたとされ、第3楽章ではヴェネツィアの複合唱形式のようにオーケストラが二群に分けられ、それぞれで異なる拍子が指定されるというユニークな構成となっていて、そのためこの楽章は「La Confusione(混乱)」と名付けられています。1760年ごろの作曲とされる「シンフォニア・コン・フーガ ト短調」(フーガを伴うシンフォニア)は、リヒターのフーガ研究の粋が込められた交響曲で、ルネサンスやバロック時代のポリフォニックな要素が盛り込まれた、宗教曲を想起させる荘厳な雰囲気を備えています。「交響曲 ニ短調」作品3-4は、マンハイム時代に作曲され、1760年にパリのヴェニエ社によって初版が出版されました。力強いアレグロ・コン・スピリトで始まる変化に富んだ作品で、疾風怒濤期を想起させる激しさを持っています。「交響曲 ト長調」作品4-6(BoeR 25)もマンハイム時代に作曲されたとされ、1764年、アムステルダムで出版されました。マンハイム楽派らしいフォルティッシモで始まる第1楽章、オペラのレチタティーヴォとアリアのような緩徐楽章の第2楽章を経て、ホルンのモチーフが特徴的なフーガを持つ快活な第3楽章で締めくくられます。
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4つの交響曲それぞれに趣向が凝らされた個性あふれる作品で、バロック時代の3楽章形式を採りつつも、その後の古典派の交響曲と比べても劣ることのない完成度を誇っています。生き生きとした演奏でその魅力を存分に伝えているオーストリアの優れた古楽器オーケストラが、オルフェオ・バロック管弦楽団(ミヒ・ガイック主宰)。結成から約30年、古楽演奏の最前線で活躍し、テレマンやバッハから、マンハイム楽派、モーツァルト、そしてシューベルトの交響曲までをレパートリーとし、ザルツブルク音楽祭、ルツェルン音楽祭など世界最高峰の音楽祭にも出演。cpoレーベルを中心に40を超えるアルバムをリリースしています。このアルバムでは弦楽器4-4-3-2-1にオーボエ2、バスーン1、ホルン2、チェンバロという編成で演奏しています。
ジャケット絵画:フェルディナント・コーベル(1740-1799):アシャッフェンブルク近郊のマイン橋(1785年)
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