Caribouとしても世界的な成功と評価を築いてきたDan Snaithが、よりフロア志向で直感的な表現を追求するために立ち上げた別名義、Daphni。『Butterfly』は、そのDaphniというプロジェクトの本質を、これまで以上にクリアに、そして大胆に提示するアルバムである。本作には、断片的に切り取られたサンプル、身体を自然に揺らすリズム、ミニマルな反復の中にふと現れる高揚感が随所に散りばめられている。しかしそれは、いわゆる「機能的なクラブトラック」にとどまらない。音の隙間や揺らぎ、メロディの残像までもが丁寧に配置され、リスニング作品としての完成度も極めて高い。Caribou名義では、バンドアンサンブルや歌を軸にした有機的でドラマティックな世界観が展開されてきた一方で、Daphniではより即興的で、瞬間の感覚を信じるようなアプローチが取られている。『Butterfly』は、その違いを明確に示しながらも、Dan Snaithという音楽家の一貫した美意識が確かに流れていることを感じさせる作品だ。 (C)RS
JMD(2025/12/26)
CARIBOUとは異なる衝動と自由
クラブとメロディのあいだを蝶のように舞うDaphniが描く、ダンス・ミュージックの現在形がここにある。
Caribouとしても世界的な成功と評価を築いてきたDan Snaithが、よりフロア志向で直感的な表現を追求するために立ち上げた別名義、Daphni。
『Butterfly』は、そのDaphniというプロジェクトの本質を、これまで以上にクリアに、そして大胆に提示するアルバムである。
本作には、断片的に切り取られたサンプル、身体を自然に揺らすリズム、ミニマルな反復の中にふと現れる高揚感が随所に散りばめられている。
しかしそれは、いわゆる「機能的なクラブトラック」にとどまらない。
音の隙間や揺らぎ、メロディの残像までもが丁寧に配置され、リスニング作品としての完成度も極めて高い。
Caribou名義では、バンドアンサンブルや歌を軸にした有機的でドラマティックな世界観が展開されてきた一方で、Daphniではより即興的で、瞬間の感覚を信じるようなアプローチが取られている。
『Butterfly』は、その違いを明確に示しながらも、Dan Snaithという音楽家の一貫した美意識が確かに流れていることを感じさせる作品だ。
タイトルが示す「Butterfly(蝶)」のように、本作の楽曲群は軽やかに空間を横切り、予測不能な軌道を描きながらリスナーの感覚に触れていく。
ダンスフロアで鳴らされた時の即効性と、ヘッドフォンでじっくりと向き合った時の奥行き。その両方を成立させている点こそが、本作を特別な存在にしている。
Daphniは、ハウスやテクノといったジャンルの枠組みを参照しつつも、それらに回収されることなく、自身の音楽として再構築してきた。
『Butterfly』においても、クラブカルチャーへの深い理解と愛情を背景にしながら、あくまで個人的で自由な視点から音が編み上げられている。
国内盤はボーナス・トラックを1曲追加収録!
ダンスミュージックでありながら、日常のリスニングにも自然に溶け込むこの作品は、Daphniという名義の現在地を示すと同時に、Dan Snaithの創作の幅広さを改めて実感させる一枚となっている。
発売・販売元 提供資料(2025/12/24)