現代ジャズ最高のサックス奏者ベン・ウェンデルの最新作は、ジョエル・ロスをはじめとする4人のヴィブラフォン奏者と作った斬新な音像。多彩で立体的なトーンと疾走感から湧き上がるミラクルなカレイドスコープ。
ベン・ウェンデル3年ぶりのスタジオ最新作は、現代ジャズ・ヴィブラフォン奏者の代表的プレイヤー4人との共演という斬新すぎる内容。エフェクトも効果的に使用しつつ、各プレイヤーが兼任するマリンバ/パラフォン/パーカッション、さらに多彩なマレット音色も相まって豊かなサウンドスケープを構築したまさに「傑作」アルバム。
ベン・ウェンデルはアルバム制作では常にオリジナリティー溢れるアイデアを導入して文字通りジャズの可能性を拡げている。過去より、デュオ・プロジェクトをバンド編成で録音した『シーズンズ』(2018)、マイケル・マヨをアンサンブルに組み込んだ『ハイ・ハート』(2020)、サックス多重録音にセシル・マクロリン・サルヴァントやホセ・ジェイムズ他豪華アーティストを迎えた『All One』(2023)、初のワン・ホーン・リーダー作であるヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ盤(2024)、さらに音楽/ダンス/ライティング/音響をむすびつけたイマーシヴ・プロジェクト「SOL」(2023)など、技術に裏打ちされた音楽的進化を遂げている。
本作では近年NYに集結しつつある新世代ヴィブラフォン奏者たち、そのシーンに着目したベン・ウェンデルの慧眼と視野に唸らされる。ジョエル・ロスはもはや現代ジャズ・シーンにおける最重要アーティストとして認知されているが、その他ヴァイヴ奏者も注目揃い。レイヴェイのアルバムにも参加、2023年ダウンビート誌ヴァイヴ部門Rising Star賞を獲得したシモン・ムリエ、新作が同じくダウンビート誌の批評家投票2025年最優秀レコード賞に輝いた革新的プレイヤーのパトリシア・ブレナン、ラテン・グラミーも受賞して現在NYで活動するベネスエラ出身のフアン・ディエゴ・ビジャロボスと、まさにシーンを牽引するプレイヤーばかり。
ベン・ウェンデルの疾走感あるリフがヴィブラフォンの跳躍的なフレーズと最高にフィット、さらにマリンバやバラフォンの音色もサウンドを立体的にしている。フアン・ディエゴ・ビジャロボスのパーカッションも全体のボトムを効果的に締め上げ、サウンドの飛翔感をより際立たせている。また、スロウな曲ではヴィブラフォンの響きが最大限に活かされている。アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲カヴァーも収録。
発売・販売元 提供資料(2025/12/16)