2009年に結成されたウクライナのメタルコア、SPACE OF VARIATIONSの2026年作3RDアルバム。これまでの激情的メタルコア/エクストリーム色を踏襲しつつ、音楽性のレンジをさらに拡大した「新時代」の到来を告げる作品だ。冒頭の「Tribe」では、英語とウクライナ語を切り替えながら存在の不安や恐怖を歌い、疾走するリフとシャウト/クリーンの対比がドラマティックに展開される。 ドラムとベースが突き進むピュアなメタルコア的暴力性に加えて、「Halo」ではネックブレイク級の djent スタイルのギターリフが導入され、これまで以上にモダンで硬質なサウンドを提示する。 「Mayday」ではサイレンやノイズ的要素で不穏さを強調し、「Parallel Realities」はメロディックな歌メロと重厚なブレイクダウンを交錯させ、絶望感と美しさを共存させる構成になっている。特に「Doppelganger」では、歪んだギターのグルーヴと高速ビートによる凶暴さに、幽玄なメロディや微細なエレクトロニック・テクスチャが融合。これにより、叙情性と破壊性が同居する緊張感の高い楽曲となった。さらに「Coldheaven」ではヒップホップ的なリズムやインダストリアルな音色も取り入れ、バンドはジャンルの枠を超えて音の幅を広げている。終盤の「Lies」は、クリーン/シャウトを自在に行き来するヴォーカルが持つ感情の振幅を活かしたドラマ性ある展開、「Echo」による静謐なラストも含め、アルバム全体がメタルコアの枠を超えた表現の可能性を探る作品だ。このように、『Poisoned Art』は暴力性、メロディ、エレクトロニック要素、実験性をひとつにした過渡期的かつ挑戦的なサウンドを提示し、SPACE OF VARIATIONSが今後のモダン・メタルコアの未来を牽引する存在であることを強く印象付ける。
発売・販売元 提供資料(2025/12/11)