スティーリー・ダン、それはドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーという2人の才能が融合し、洗練された最高級のアンサンブルを響かせる存在…。二人がそれぞれのソロ活動を経て再びスティーリー・ダンとして活動を再開した2000年代に発表した2枚の傑作が、クリア・アナログ盤となって登場! こちらは彼らが20年振りにスティーリー・ダン名義で発表し大ヒットを記録した2000年発表の傑作『TWO AGAINST NATURE』の2枚組クリア・アナログ盤!
ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーという二人の才能が、ニューヨークのバード・カレッジで運命的な出会いを果たし、高レベルなスタジオ・アルバムを発表しながら世界的な成功を収めていった、音楽史に燦然と輝く存在、スティーリー・ダン。彼らはロックをベースにラテン音楽やR&B、ジャズといった幅広く多様性に満ちたサウンドを構築し、非常に高度なアンサンブルと卓越したアレンジでその後の音楽シーンに大きな影響を与える巨星ともいうべき存在だ。
今回、彼らが長いソロ活動を経て再び集結し、2000年代に発表した2枚の傑作アルバムが、180グラム重量盤クリア・アナログ盤となって登場することとなった! 今回リリースされるのは、約20年振りにスティーリー・ダン名義で2000年2月29日にリリースされた通算8作目のスタジオ・アルバム『TWO AGAINST NATURE』の2枚組クリア・アナログ盤と、2003年に発表し、創設メンバーのウォルター・ベッカーが参加した最後のアルバムとなった通算9作目のアルバム『EVERYTHING MUST GO』のクリア・アナログ盤だ。
2000年2月29日にリリースされた通算8作目となるスタジオ・アルバム『TWO AGAINST NATURE』は、ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーがそれぞれ個々の活動期間を経て前作より20年振りに発表された作品だ。今作はメディアや批評家から非常に高い評価を受け、グラミー賞では最優秀アルバム賞、最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞、最優秀エンジニア・アルバム、最優秀ポップ・パフォーマンスという4部門を受賞している。「Cousin Dupree」や「Jack of Speed」、「What a Shame About Me」といった名曲を収録した今作では、ジャズの影響を受けたハーモニーと完璧なスタジオ・クオリティ、そして彼らの特徴的要素の一つともいうべきブラック・ユーモアあふれるストーリーテリングが融合した世界観が展開しており、ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーによる「洗練」の極みが刻み込まれた傑作だ。
このグラミー賞受賞アルバムが、ついに180グラム重量盤クリア・アナログとなって登場する。細部までこだわったリマスター音源を高音質オーディオファイル・アナログ盤にプレスし、オリジナル・アートワークを忠実に再現したこのリイシュー盤は、スティーリー・ダンというデュオの巧みなグルーヴや研ぎ澄まされたアレンジ、そして緻密なプロダクションに新たな次元をもたらし、その卓越した明瞭度と温かみ、そして存在感を提供してくれている。スティーリー・ダンのファンにとってはもちろんのこと、オーディオ愛好家にとっても必須の作品となるのだ。
発売・販売元 提供資料(2025/12/12)
確実にリベンジできたはずの『ガウチョ』はジョン・レノンの遺作に阻まれた。アルバムとしての輝きは”異彩”でしかなかったのか…。そんなグラミー側の罪滅ぼしなのか(?)、同情票を集めたのか(?)、20年の時を経て2000年リリースの本作で念願の蓄音機を手にすることとなった。ただ、完璧だった前2作の落選の歴史があるので、口は悪いが、彼らの長年の功績に対する”功労賞”的な受賞と思えなくもない。
さて、そんな本作だが、個人的には、時を経ても変わらぬ輝きを放ち続ける過去の金字塔が眩し過ぎたこともあって、傑作アルバムの焼き直しに失敗したような、二番煎じ → 薄味といった印象が拭えず、前2作とは”別モノ”として捉えることができなかった。過度な期待を抱き過ぎたせいだと思う。
最近、久しぶりに頭をクリアにして向き合ってみると、リリースから相当の時間が経ったこともあって、意外とすぅーっと身体に入ってきた。熟成によって円やかになった醸造酒のように、口当たりが良かったし、深みも感じた。単に、自分が加齢によって寛容になったのかもしれないが…。
オープニングの「ガスライティング・アビー」は好意的だ。緩めのピンポン・ラリーのような軽妙で心地よい反復は、中毒性のある香辛料のように灰色の脳細胞を刺激する。以降、彼らの十八番ともいえる単調で起伏に乏しいメロディと難易度の高い複雑でクールなコード進行の融合が思考回路を麻痺させる。だが、混乱させることはない。苦い薬を噛み潰した時のような独特の渋味は、慣れてしまえばマイルドにも感じられる。東海岸の気どりや達は、スマートに音符を操りながら、美味しい料理の中にそっと毒を忍ばせているからだ。その巧みな技術、技法は健在だ。