緻密で構造的なアンサンブルを磨き上げるシカゴが生んだスーパー・インストゥルメンタル・ロック・バンド、TORTOISE。DOUGLAS MCCOMBSとJOHN HERNDON、JOHN MCENTIREが構築するツイン・ドラムとベースの重なりを軸に、ポスト・パンク以降の硬質さとジャズ的流動性を融合させる異能集団。
ポストロック・シーンを牽引し、代表的存在であり続けてきた彼らが、THRILL JOCKEYという独立的な土壌、アメリカ中西部の実験性、1990年代初頭のDIY精神を一体で響かせ発表した94年の記念すべき1STアルバム。
TORTOISEは、レコーディング・プロセスを作曲ツールもしくは第6のメンバーとして利用するという点でスタジオを開拓。彼らのルーツとなるパンクやニュー・ウェイヴに加え、ジャーマン・ロックやミニマリズム、ダブやトリップホップ、映画音楽、カントリー等、様々な音楽のスタイルと影響を取り入れて、まったく異なるサウンドに結合。その独自性ゆえに、本作のリリース後、彼らは新しい音楽的ムーヴメントのリーダーと見なされることになります。
深く弾むベースが旋回する"MAGNET PULLS THROUGH"、ドラムの細かな刻みがギターの残響を支える"SPIDERWEBBED"、金属的なパーカッションがグルーヴを引き締める"TIN CANS & TWINE"、静かなコードが余白を作る"ON NOBLE"。テンポを抑えた曲でもスネアとキックの配置で緊張を保ち、ヴィブラフォンやシンセの短いフレーズで輪郭を描きます。
バンドの設計思想が最初期から明確に聴き取れる一枚で、シカゴ発の集団性と精密なリズム設計が現在の耳にも鮮明に届きます。元BASTRO~GASTR DEL SOLのBUNDY K. BROWN在籍時唯一のアルバムという意味でも必聴の一枚です。
発売・販売元 提供資料(2025/11/26)