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フォーマット 書籍
発売日 2025年12月23日
国内/輸入 国内
出版社CCCメディアハウス
構成数 1
パッケージ仕様 文庫
SKU 9784484221502
ページ数 176
判型 文庫

構成数 : 1枚

  1. 1.[書籍]

\ 映画『兄を持ち運べるサイズに』原作の …/
\『兄の終い』に続く待望の文庫化 /
\文庫版補稿を収録/
※「文庫版補稿」はKindle版には収録されていません

義母が認知症になったらーー
折り合いの良くなかった家族との
別れを書いたベストセラー『兄の終い』
その裏で同時に起きていた
家族をめぐるもう一つの実話
認知症当事者から見た日常

「どちらさま? 誰かに似ているようですけれど」

私には居場所がない。知らない女に家に入り込まれ、今までずっと大切に使い、きれいに磨き上げてきたキッチンを牛耳られている。少し前まで、家事は完璧にこなしてきた。なんだってできました。ずっとずっと、お父さんのために、息子のために、なにからなにまで完璧に、私は家のなかを守ってきました。あなたはいつも、お母さんって本当にすごいですね、完璧な仕事ですよと言ってくれた。

あなたに一度聞いてみたことがある。なんなの、毎日代わる代わる家にやってくる例の女たちは? そしたらあなたは、「お母さん、あの人たちは、お父さんとお母さんの生活を支援してくださっている人たちなんです。介護のプロなんですよ」って言ったのだけど、こちらは家事のプロですから。――私は主婦を、もう六十年も立派に勤めてきたのです。

しっかり者の義母が認知症になった。
対話から見えた、当事者の恐れと苦しみを描く。

"老いるとは、想像していたよりもずっと複雑でやるせなく、絶望的な状況だ。そんななかで、過剰に複雑な感情を抱くことなく必要なものごとを手配し、ドライに手続きを重ねていくことが出来るのは私なのだろう。これは家族だからというよりも、人生の先達に対する敬意に近い感情だと考えている。(「あとがき」より)"

作品の情報

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著者: 村井理子

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