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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年10月30日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 慶應義塾大学出版会 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784766430707 |
| ページ数 | 240 |
| 判型 | 46 |
構成数 : 1枚
はじめに
1 なぜ天使が哲学の問題になるのか
2 中世哲学の考え方
3 「天使の哲学」の問い
4 「人間の哲学」としての天使論
第一章 この世界はどのようにして始まったのか―プラトン主義と「創世記」
1 はじめに
2 世界創造の物語―プラトン『ティマイオス』
3 古代ギリシアからキリスト教へ―「創世記」と「無からの創造」
4 中世哲学と『ティマイオス』の出会い
5 おわりに
第二章 天使のいる「世界」―ヒエラルキーを求めて
1 はじめに
2 「大臣」としての天使?―アガンベンの天使論
3 「ヒエラルキー」の誕生
4 存在の大いなる連鎖
5 おわりに
第三章 天体を動かす天使たち―アリストテレス主義と世界の永遠性
1 はじめに
2 永遠に生成変化する自然界
3 第一原因としての「神」
4 一三世紀の論争
5 おわりに
第四章 そもそも天使は存在するのか―プラトン主義とアリストテレス主義の総合
1 はじめに
2 「針の上で天使は何人踊れるか」
3 天使は宇宙のなかにいるのか
4 天使はそもそも存在するのか―トマス・アクィナスの場合
5 おわりに
第五章 天使は身体をもつのか1―聖書からトマスまで
1 はじめに
2 悪魔の体、天使の体―ロンバルドゥスによる疑義
3 「質料形相論」とは何か
4 「質料とは何か」をめぐる議論―トマスの批判
5 おわりに
第六章 天使は身体をもつのか2―トマスとボナヴェントゥラの対立
1 はじめに
2 「可能」や「現実」とは何か?―物体性と質料性
3 「質料」はどこまで遡れるか?
4 天使論の表面化と節約の原理―スコトゥスとオッカム
5 おわりに
第七章 思考実験としての天使の知―「身体なき精神」は何を思うか
1 はじめに
2 「空中人間」と「我思う、ゆえに我あり」
3 天使の認識とは何か
4 媒介としての形相
5 おわりに
第八章 中世版AI?―生得説と経験論の対立
1 はじめに
2 私たちの頭は白紙なのか―ロックとライプニッツ
3 生得説を体現する天使―トマス・アクィナス
4 天使も経験を通じて賢くなるか―スコトゥスとオッカム
5 おわりに
第九章 悪という自由―主知主義から主意主義へ
1 はじめに
2 善とは何か、自由とは何か―主知主義
3 天使の自由意志―主意主義
4 意志の悪徳―主意主義の先鋭化
5 おわりに
第一〇章 悪への固執―自由の究極
1 はじめに
2 知性が悪に固執する―トマス・アクィナス
3 意志が悪に固執する―ガンのヘンリクス
4 悪魔も内面において自由である―スコトゥスとオッカム
5 おわりに
終章 宇宙から天使が消えた後―善悪を生きる人間の哲学
1 哲学史の主役は誰か
2 天使主義の行方―デカルトの書簡から
3 人間の上昇―エディット・シュタインの天使論
4 最後に―中世哲学の天使論「再考」
引用文献
読書案内
あとがき
索引
中世では、天使は神と人間の中間に位置し、「人間とは何か」という問題を解明するカギとして盛んに議論された。
ときには天体の動かし手として、世界統治を司る「大臣」として、さらには中世版AIのような身体なき純粋知性として、つねに天使は哲学の中心にあった。
本書は、古代ギリシアから受け継いだ世界観を背景に、プラトン主義・アリストテレス主義という二大伝統を経由して、トマス、スコトゥス、オッカムら代表的な哲学者によって「天使論」が〈存在論〉〈認識論〉〈倫理学〉として体系化される軌跡をたどる。
近現代にたしかに息づく知と自由への渇望に、天使と悪魔がいざなう中世哲学入門――

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