テネシー出身のフィドラー兼バンジョー奏者JOSEPH DECOSIMOは、南部やアパラチア地方のオールドタイム音楽を深く掘り下げてきた伝承系ミュージシャン。EAST TENNESSEE STATE UNIVERSITYのブルーグラス・プログラムで教鞭を執り、CLYDE DAVENPORTらレジェンドからの直接の薫陶を受けつつ、ノースカロライナのダーラムやチャペルヒルのシーンでALICE GERRARDやHISS GOLDEN MESSENGER、JAKE XERXES FUSSELLとも共演してきました。博士論文「CATCHING THE WILD NOTE」でオールドタイム音楽の聴き方と継承について論じるなど、演奏家とフォークロリストの両面からシーンに関わる存在です。
2025年3作目のソロ・アルバムは、フィドルとバンジョーを軸にしたトラッド曲を中心に据えつつ、ノースカロライナ周辺の仲間たちとのアンサンブルで「現在進行形のオールドタイム」を描き出した一枚。フィドラーSTEPHANIE COLEMAN、ギタリストJAY HAMMOND、シンセや多楽器を操るMATTHEW O'CONNELLに加え、プロデューサー兼ベーシストとしてANDY STACK、ホーンのKELLY PRATT、LIBBY RODENBOUGHやJOSEPH O'CONNELL、実験的トラッド奏者CLEEK SCHREYらが参加し、タールヒール一帯のフォークとインディ・ロック人脈が自然に交わるセッションとなっています。
ワシントン州出身のストリート・プレACHERWASHINGTON PHILLIPSが残したゴスペルを素朴な歌とフィドルで歌い継ぐ"I HAD A GOOD FATHER AND MOTHER"、ケンタッキーのフィドラーLUTHER STRONGの演奏でも知られるナンバーを高速のボウイングとダンス・リズムで一気に駆け抜ける"GLORY IN THE MEETINGHOUSE"、フィールド録音で知られるLUTHER DAVISのバージョンを手掛かりにドローン感覚とハーモニーを強めた"SHADY GROVE"など、古い旋律に現代的な耳とアンサンブル感覚を持ち込んだ演奏が並びます。テネシーのバンジョー曲を電気的な質感に寄せた"FLOWERY GIRLS"ではMATTHEW O'CONNELLのシンセやKELLY PRATTのホーンが揺らぐように寄り添い、"THE QUEEN OF ROCKY RIPPLE"や"BOATSMAN"ではLIBBY RODENBOUGHやSTEPHANIE COLEMANとの掛け合いがセッションの楽しさそのものを伝えます。
テネシーとノースカロライナのプレイヤーたちが集まり、LUTHER DAVISやWASHINGTON PHILLIPSの残した旋律を現在の耳で鳴らし直した、コミュニティ志向のオールドタイム・アルバム。フィドルとバンジョーのニュアンスに耳を澄ませたいリスナーにも、DEAR LIFE RECORDS周辺のインディ作品が好きなリスナーにも強く薦められる一枚です。
発売・販売元 提供資料(2025/12/19)