ダイナミックなポスト・ロックと叙情的なメロディでヨーロッパのインディ・シーンを歩んできたスウェーデン西海岸ヨーテボリのポスト・ロック名バンド、EF。00年代半ばにデビューして以降、ギターや鍵盤、ストリングスを重ねた劇的なインストゥルメンタルで各国ツアーを重ね、クラブからシアターまで幅広い会場で長尺セットを演奏してきました。
2006年作のデビュー・アルバムは、静かなギター・フレーズから轟音のクライマックスへ至る構成と、泣きのメロディ・ラインでEFの基礎を形づくった作品。2025年にPELAGIC RECORDSのカタログ300番を飾る20周年エディションとしてリイシューされ、新たなミックスとオーケストラルな上ものを加えた再構築ヴァージョンへと生まれ変わりました。アートワークも刷新され、当時の楽曲に現在のバンドの感覚と表現力を重ねたアップデートになっています。
コーラスとトランペットが静かに立ち上がる"ETT"、アルペジオとストリングスが少しずつ音量を上げていく"MISINFOM THE UNINFORMED"、新たに加わったボーナス・トラック"NOLL"など、どの曲も数分から10分近い長さの中でギターとリズムが段階的に高まり、最後に大きなカタルシスに達します。中盤の"HELLO SCOTLAND"や"HE CAME, HE STAYED, HE FELL"ではトランペットやヴァイオリンがくっきりと響き、ポスト・ロックのフォーマットに室内楽的な色彩を加えるアレンジが印象的です。
全体として静かなパートと爆発的なバンド・サウンドのコントラストが丁寧に組み立てられており、MOGWAIやEXPLOSIONS IN THE SKYにも通じるスケール感と、ヨーテボリのバンドらしい柔らかなメロディ・センスが同居する一枚。初期ポスト・ロックの名作として知られてきたアルバムを、20年の活動で鍛えられた現在の演奏とサウンド・デザインで聴き直せるリイシューです。
発売・販売元 提供資料(2025/12/19)
何だ!? この映像的な音楽は! 北欧のアーティストに共通するのは、静かで冷たく、そして壮大な物語を聴き手の脳裏に映し出す点にあると勝手に思っているのだが、スウェーデンから現れた5人組のポスト・ロック・バンド=EFもまさにそれ。ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーを思わせるストリングスを交えたエモーショナルな展開に、ラルトラ的な男女混声ヴォーカルがストーリーテラーとなって、圧巻の物語を紡ぐ。
bounce (C)大久保 洋二
タワーレコード(2006年08月号掲載 (P93))