優しく自由奔放なフォークミュージック、長く伸びやかなドローン、そして幽玄でタイムワープするような声の探求など、本作でドラと鈴木はそれぞれの強みを存分に発揮している。
好奇心旺盛なリスナーなら、ドラをご存知かもしれません。彼女は過去20年間、モダン・ラブ、モルク、リサイタルといったレーベルから、美しく個性的なアルバムを次々とリリースしてきました。また、ミシェル・ヘンリッツィやソフィー・クーパーといったアーティストとも共演しています。鈴木の演奏は主にヴォーカルで、日本の即興音楽の伝統に位置づけられています。しかし、彼女のアプローチには、フォークソング、アンビエンス、そして閉塞感のあるドローンも取り入れられています。
『かごめかごめ』では、ドラと鈴木はそれぞれの強みを存分に発揮している。優しく自由奔放なフォークミュージック、長く伸びやかなドローン、そして幽玄でタイムワープするような声の探求など。二人はドラの2024年5月の日本ツアーで出会ったが、それ以前から連絡を取り合っていた。ドラが鈴木にこのコラボレーションを提案し、鈴木は「『あの世』と『無常』という概念を中心に展開し、日本文化における『目に見えないもの』と音の関係性、つまり私たちの共通の関心を探求した」と語る。彼らはその月に数日間にわたってレコーディングを行い、『かごめかごめ』のセッションは、栃木県鹿沼市の「センター」というスペースで行われた。「デルフィーヌが、センターで修理されたばかりの日本楽器製造製の104年前のヴィンテージハーモニウムに出会うのを見るのが特に楽しみでした」と鈴木は回想する。「まるでハーモニウムがデルフィーヌが音を出すのを待っていたかのようでした。二人は互いに導き合える美しい関係だと感じました。」 (1/2)
発売・販売元 提供資料(2025/10/01)
確かに、セッションでドラと鈴木が共に作り上げた音楽には、何かが伝わってくるものがあり、それが『かごめかごめ』を構成している。ドラのハーモニウムはアルバムの背骨と言えるかもしれないが、鈴木の自由に漂う歌声と、ガスのように濁った電子音が、ハーモニウムの喘鳴のような古風な音色を美しく包み込む。
それらもまた、まるで昼間の空気から引き出されるのを待っているかのように聞こえる。
二人の声は美しく寄り添う。「トンネルの中で一緒に歌ったとき」と鈴木は言う。
「何の計画もなく、全く同じメロディーを歌ってしまうこともありました。あまりにも自然に起こったので、私たちの間の境界線が曖昧になってしまったのです。」
そしてそのタイトルは日本の童謡から取られており、曲名自体が歌詞を構成しており、日本語(ローマ字)とフランス語が交互に使われている。都市伝説によると、この曲「かごめかごめ」は、鈴木とドラが鹿海滞在中に訪れた、センター近くの日光東照宮と関連しているという。「『かごめかごめ』の神秘的な歌詞と、日光東照宮とのパズルのようなつながりは、このミステリアスなアルバムにぴったりでした」と鈴木は振り返る。「このアルバムには、独特のパズルのような要素があると思います。」
祈りと魔法、占いと儀式を深く描いたアルバムである「かごめかごめ」の真剣な遊び心、豊かな美しさは、現代社会からどこか乖離しているように感じる。ニコ、ケンドラ・スミス、チャラランビデス、あるいは幽霊の神秘を伝える他のアーティストの音楽を楽しんだことがあるなら、その不気味な異質さは、なぜか奇妙に馴染み深いものに感じられるでしょう。 (2/2)
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