佐藤恭子:懐かしさ、愛おしさ、不安、憂い ― 時代の狭間に綴られた、ささやかな音楽日記。 (C)RS
JMD(2025/10/10)
懐かしさ、愛おしさ、不安、憂い - 時代の狭間に綴られた、ささやかな音楽日記
"日本のジャズ"として語られる音楽は、一般的には日本人によるアメリカ民族音楽の継承や、日本の文化や風土を映し出すものとして捉えられることが多いかもしれません。
しかし、この作品は少し異なる視点で制作しました。20世紀アメリカで生まれ、瞬く間に世界へと広がったジャズ音楽のフォーマットを借りながら、日本で育った私自身の記憶や日常、歴史や社会への想いを静かに音にほどいていく試みです。
このアルバムにはいくつもの層があります。幼少期の記憶や文化の断片、日本の都市生活で感じる四季折々の気配や湿度。加速する世界への不安、社会の矛盾、そして未来への希望。収録曲はいずれも軽やかで遊び心を含みながら、その底には言葉にしきれない思いや背景が静かに流れています。この音楽は、過去を懐かしむものでも慰めでも解答でもなく、小さな問いかけとして、ジャズという枠を越えて-これは、2024―2025年という"今"を生きる私の、ささやかな記録であり、祈りのような表現です。(佐藤恭子)
発売・販売元 提供資料(2025/09/29)