グラミー受賞の実力派R&Bシンガー=ミゲル
混沌へと誘う通算5枚目となるスタジオ・アルバム『CAOS』(アナログ盤)
メキシコ系の父とアフリカ系の母をルーツに持つ実力派R&Bシンガー/ソング・ライター=ミゲル。通算5枚目となるスタジオ・アルバム『CAOS』は、自身が40歳の誕生日を迎えリリースされる。今作は制作に8年を費やし、ジャンルの枠を超え、変化の美しさと不安定さを捉えており、破壊が創造へ、痛みが成長へと進化する様子を描いている。
アルバムのタイトル曲「CAOS」をソーシャルメディアと自身のプラットフォーム「S1C.LA」を通じて公開した。この楽曲は、スペイン語による生々しく実存的なモノローグで始まり、再誕をテーマにした実験的な瞑想へと展開した楽曲だ。
「再構築するためには、自分自身を破壊しなければならなかった。それが『CAOS』の核心的な対峙だ。自分自身の進化を通じて、変化とは暴力的なものだと学んだ。『CAOS』は、その暴力を普遍的に感じられるものへと曲げた音の表現なんだ」とミゲルは語る。
彼はリスナーにパーソナルかつ普遍的な"混沌"を提供し、音楽とビジュアル・ストーリーテリングを通じて、リスナー自身が自らの人生の中の混沌と向き合い、それを活かすよう促した作品となっている。
2012年発売のセカンドアルバム『Kaleidoscope Dream』に収録されたシングル「Adorn」はグラミー賞「最優秀R&Bソング」を受賞。以降も『Wildheart』(2015年)、『War & Leisure』(2017年)といったアルバムで全米R&Bチャート1位を獲得するなど輝かしい経歴を持つ。『CAOS』によって、ミゲルは自身のレガシーを再定義し、ジャンルや文化を超えたアーティストの進化の新たな基準を打ち立てようとしている。
発売・販売元 提供資料(2025/10/03)
前作『War & Leisure』から8年という長いブランクを経ての5作目だが、その間に生じた精神的な迷いや生活の変化を昇華した作品となっている。ギターが響くロック・サウンドに乗せて怒りや痛みを表現しつつ、我が子に捧げる"Angel's Song"では静謐な美しさを示し、甘美なスロウ"Always Time"にはミゲルらしいドリーミーさもあって、掲題通りにカオスな感情を吐き出したような内容だ。ラストの"Comma/Karma"はジョージ・クリントンの語りをフィーチャーした、プリンスの姿が見え隠れするような妖艶な一曲。R&B/ロックスターの帰還とこれからの展開を予感させる転機の一作。
bounce (C)池谷瑛子
タワーレコード(vol.504(2025年11月25日発行号)掲載)