チン・ベルナルデス、角銅真実ら参加!ベラルーシのブラジリアン・バンドによる最高傑作が誕生! (C)RS
JMD(2025/10/10)
チン・ベルナルデス、角銅真実ら参加!ベラルーシのブラジリアン・バンドによる最高傑作が誕生!
※日本語帯/ライナーノーツ付き
ブラジル音楽に大きな影響を受けた前作『Force of The Wind』(2022)によって世界的な注目を浴びたベラルーシのバンド、ソユズ(SOYUZ)の3年ぶりとなる新作が〈Mr.Bongo〉よりリリース!タイトルとなっている「KROK」は、ベラルーシ語で「一歩」を意味する言葉。ウクライナでの戦争とベラルーシの不安定な政情を背景にワルシャワへと移住した彼らにとって、この言葉には大きな意味が込められているのだという。
ソングライティング/アレンジを担当しているアレックス・チュマク(Alex Chumak)は、これまでは歌詞を旧ソ連諸国の共通語であるロシア語で綴っていたが、本作では彼らの母語であるベラルーシ語で書くことを決意。ドラマーのアントン・ネマハイの脱退という困難もあったが、サンパウロのバンド、セッサやオ・テルノでドラムを担当するビエル・バジーリやマルセロ・カブラルといったブラジルのミュージシャンが多数参加し、サンパウロのスタジオでレコーディングが行われた。
アルバムの幕分けに相応しい疾走感ある表題曲に始まり、チン・ベルナルデスがヴォーカルで参加した「Lingua Do Mundo」、スヴェン・ワンダーのスタジオで録音されたというローズ・ピアノの音色が美しい先行シングル「Kali ty zapytajes」、角銅真実がポエトリー・リーディングで参加した「Smak zyccia」など、どの楽曲も最高級のクオリティ。
録音は主にブラジルで行われたものの、本作の基盤にあるのは東欧のルーツなのだという。そこにさらにブラジル音楽やジャズやフォーク、ライブラリー・ミュージックなど様々な要素が織り交ぜられている。多様なリファレンス、きめ細やかなこだわりを感じさせるサウンドメイク、より深みを増したコンポジション/アレンジ。録音すら困難な状況の中、窮地を好機へと変えてしまうかのように、ソユズの最高傑作と呼ぶべき名作が誕生した。
発売・販売元 提供資料(2025/09/19)
東欧ベラルーシから生まれた衝撃のブラジリアン桃源郷サウンド!"街角クラブ"のDNAを感じさせつつネオアコやソフトロック視点からみても大傑作だった前作にはかなり驚かされた。ソユズという、現在はソロユニットのようだが、この4作目では初めてベラルーシ語で歌われているだけでなく、東欧的な叙情性と陰影が一層深まり内省的な響きが際立っている。その反面、サンパウロで録音され、Tim Bernardesや彼も在籍するO TernoのドラマーBiel Basile、カエターノの再来と呼ばれたSessaらブラジルの精鋭が参加。前作以上にMPBやボサノヴァ的なハーモニーが随所に表れている。ラストの角銅真実による日本語の朗読も素敵だ。
intoxicate (C)小畑雄巨
タワーレコード(vol.178(2025年10月10日発行号)掲載)