中古市場では全てのタイトルがプレミア化!
ケニアの知られざるローカル・ヒーローによる編集盤が〈Disciples〉よりリイシュー!
ハイライフ、アフロ・ファンク、フォーク、ドラムマシンやキーボードを駆使したディスコなどを収録した東アフリカの至宝
ボグダン・ラチンスキーからデニス・ボーヴェル、Phewに至るまで、良質なカルト音源を世に送り出してきた〈Warp〉傘下の〈Disciples〉より、中古市場では全てのカタログがプレミア化しているケニアの知られざるローカル・ヒーロー、故ジョセフ・カマルの編集盤が発売!
収録された17曲は、ハイライフ風のギターを用いた活気あふれるダンスフロア向けのチャントから、アフロ・ファンク、ドラムマシンやキーボードを駆使したディスコ・グルーヴ、フォーク調の哀歌に至るまで幅広い。音楽は生々しく、直接的で、踊れるだけでなく、心に残るフックに満ちている。鋭い歌詞はプロテストソングから恋愛指南にまで及ぶ。カマルは母国においては大物政治家から都市部・農村部の労働者階級に至るまで幅広い層とつながりを持っていた。その音楽は、もっと広い層の聴衆に届くべきものであり、近年クルアンビンを筆頭に盛り上がりを見せるオリエンタル・ファンクの源流をも感じさせる。
ジョセフ・カマルは2018年に惜しくも逝去した。しかしその後、彼のアーカイブは孫であるサウンドアーティストのKMRUによって掘り起こされた。古いカセットを何十本もデジタル化し、このユニークで素晴らしい音楽に特化したBandcampページを立ち上げ、現在までにおよそ50作品をアップロードしている。〈Disciples〉はこのプロジェクトを通して示された音楽の広がりと鮮烈さに強く惹かれ、KMRUに連絡を取り、この作品をさらに文脈化する方法について協力を始めた。そこから長い書簡のやりとりを重ね、収録曲や曲順などを話し合い、最終的にこの愛情を込めたコンピレーションが完成した。収録曲は、KMRUによるオリジナルのテープ転送を基に、ベルリンのDubplates & Masteringにて丁寧にリマスタリングされている。スリーブは、カマル家のアーカイブ資料を使用し、Karolina Kolodziejがデザインを担当。ライナーノーツには、ケニアの学者Maina wa Mutonya、音楽ジャーナリストMegan Iacobini de Fazio、そしてKMRU自身によるエッセイが収められている。レーベルとカマル家は、この作品のリリースを通じて、このケニア音楽界の象徴的人物に対する認知とリスナー層の拡大を願っている。
国内流通仕様盤CDにはライナーノーツの日本語訳が封入される。
発売・販売元 提供資料(2025/09/17)
アフリカン・ルンバ由来のダンス・ミュージックに古典民謡の要素を足したケニアの大衆音楽=ベンガを代表する歌い手で、社会的なリリックでも支持を集めたジョセフ・カマル。彼の音源集が、実孫でアンビエント作家のKMRU監修のもと、ワープのサブ・レーベルより登場しました。ハイライフ風やエレポップ風など、一口でベンガと言っても時代ごとに変化していく様が窺え、その曲調に合わせて喜怒哀楽を歌い分ける主役の表現力にも驚かされます。なかでも耳を奪われたのは、全盛期にあたる70年代後半の爆裂ファンク・チューン。エネルギー量が尋常じゃないです。震えました。
bounce (C)山西絵美
タワーレコード(vol.503(2025年10月25日発行号)掲載)