〔DENON原盤ORTマスタリングSACDシリーズ第16回〕
ラヴェルの薫陶を受け、"ラヴェル弾き"として名高いペルルミュテールによる、フランス・ピアノの名曲が現代に蘇る!精緻なピアノの音色を当時の日本コロムビアが捉えた、日本が誇る1972年収録の初期デジタル録音。ORTマスタリングを用いたハイレゾ化による初SACD化。新規解説付!~「鮮烈なまでの透明感!ペルルミュテールの真価が半世紀を越えて蘇った」~
山之内 正(オーディオ評論家)
ヴラド・ペルルミュテール(1904-2002)の4回目の来日時に、当時の日本コロムビアが既に確立していた独自のデジタル録音技術をもって収録された名盤を、約50年以上の時を経て高音質盤でリリース。日本コロムビアが独自に開発したORTマスタリング技術によりハイレゾ化を行い、初SACD化。音場・音質が鮮やかに向上しています。CD層も今回のマスタリング音源を使用しました。
この盤は"ラヴェル弾き"ペルルミュテールによる所縁のフランスの作曲家による名曲を集めたアルバムで、1972年12月に録音が行われました(日本コロムビアによる初期デジタル録音)。当時の技術の粋を集めて収録されたこの録音は、通常のアナログ録音と異なり、恐ろしいまでの静寂と、まさに「鮮烈なまでの透明感!」(解説書内の山之内正氏による記述)を持った稀有な音源で、デジタル録音のメリットであるダイナミックレンジの広さやS/N比の向上が明らかに認められます。それは、演奏者がペルルミュテールであるからこそ一層際立つ特性でもあり、その成果はセレクトされた曲目を活かすべく当時の制作陣の力あってのものとも言えるでしょう。特に静寂の中からピアノが浮かび上がる様子は心が震えるかのようで、実体感のあるピアノの実音も見事に収録されており、ペルルミュテールの至芸が十分伝わってきます。元々の優秀録音に加えて、今回はさらに数歩上を行く音質をORTマスタリングにより実現できました。バランス含め、ペルルミュテールのピアノの素晴らしさを、今回の高音質盤でぜひ実体験ください。
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タワーレコード(2025/09/24)
ペルルミュテールはラヴェルから直に指導を受けた稀少な存在であり、脈々とし伝えるその演奏は貴重なものです。ですがペルルミュテール自身は録音にはあまり恵まれず、残された音源が必ずしもリスナーに常に届いている状況にはありません。収録当時も同様で、肝心のラヴェルのアルバム群は日本では手に入り辛かったようです。その旨を初出時のライナーノートに記載されていたのが作曲家の矢代秋雄氏であり、その点を嘆かれています。入手難であった状況を踏まえ、この日本コロムビアによる録音がどれほど重要か言及されていました。今回の復刻では矢代先生の承継者の方からのご厚意でオリジナル発売時の文章を掲載しています。非常に興味深い内容ですので、ぜひ一読ください。さらに、曲目解説に関しては従来からの古い解説は今回使用せず、最新の情報を基にした木内 涼氏による解説文を掲載しております。
今回のORTマスタリングは、従来以上に間接音や倍音の豊かさ、個々の録音の特筆が把握できますので、その意味でも演奏の楽しみ方がより拡がる復刻となっています。'70年代後半のデジタル録音は当時の日本コロムビアには既にいくつもの経験とノウハウがあり、元々音質自体は良く、安定感がありますので、マスタリングにおいては従来以上に鮮やかな音質を心掛けました。これらの最新復刻により、蘇った名盤の評価が一層高まることを期待します。尚、今回のDENON原盤の第16回発売(通算第18弾)は、1タイトルを発売いたします。
<ORTマスタリングとは>
CDスペックにて録音されたDENONレーベルの数々の名盤、そのデジタル変換時に失われてしまった楽音の高域成分を、低域部分の倍音を利用して予測、 再構築する技術「Overtone Reconstruction Technology(ORT)」を開発しました。この倍音再構築技術と、従来から導入されている"Master Sonic 64bit Processing"による高品質なマスタリング技術が組み合わさったものが、"ORT Mastering"です。ORTによって得られた広い周波数帯域とダイナミックレンジを最大限に活かし、原音に忠実に、名演奏、名録音の魅力をお届けします。
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タワーレコード(2025/09/24)