80年代~90年代のオルタナ・ロックやカリフォルニアのフォーク、ノルウェー産オルタナ・カントリーの感覚で北欧シーンを牽引してきたオスロのシンガー・ソングライターSIGNE MARIE RUSTAD。19年作『WHEN WORDS FLEW FREELY』と23年作『PARTICLES OF FAITH』はいずれもノルウェーの主要紙から高評価を受け、SPELLEMANN賞に3度ノミネート。そのうち『WHEN WORDS FLEW FREELY』がソングライター・オブ・ザ・イヤー部門を受賞しました。SUSANNE SUNDFORやANE BRUNと並び語られるようになった存在でありながら、作品ごとに音楽性を変え続ける姿勢が評価されてきたアーティストです。
本作は5枚目のスタジオ・アルバムであり、オスロ・コンサートホールの小ホールであるLILLE SALに観客を入れ、その場で一発録りを行うという大胆な手法で制作されています。2025年5月の収録では、プロデューサーであり長年のコラボレーターでもあるKENNETH ISHAK、ピアノのBJORGE VERBAAN、ドラムのALEXANDER LINDBACK、ギターのSANDER ERIKSEN NORDAHL、ベースのNJAL UHRE KIESEらレギュラー・バンドが集結。NOTHING PERSONALやFIEHでも活動するSOLVEIG WANGが3曲の共作者としてシンセを担当し、THE NORTHERN BELLEやSILVER LININGで知られるSTINE ANDREASSENとLIVE MIRANDA SOLBERGがコーラスで厚みを加えています。ライヴとスタジオの境界をなくし、観客との双方向のエネルギーを録音作品に封じ込めることが狙いです。
柔らかなピアノが寄り添う"DO YOU KNOW SOMETHING I DON'T (QUESTION)"が、オスロの夜の空気を抱えたようなオープニングとして静かに始まります。80年代オルタナ・ロックのギターとミレニアルR&B的ビート感が交差する"CONFORMITIES OF LIFE"、カリフォルニアのフォーク・ロックを思わせるコード感で開放感を生む"JUST WHAT WE ASKED FOR"では、RUSTADの声とバンドのアンサンブルが呼吸を合わせます。パーカッションが印象的な終盤の"DO YOU KNOW SOMETHING I DON'T (STATEMENT)"では、冒頭曲のモチーフを引き継ぎながら、観客の息遣いも含めた空気感ごと録り込んだサウンドが、タイトル通り聴き手を音楽の半分として招き入れます。
スタジオ作品とライヴ・アルバムの境目を越え、オスロのコンサートホールとノルウェーのクラブ、さらにはバスの車内のヘッドフォンまでを一つの場として繋いでしまうような作品。北欧のシンガー・ソングライター・シーンの現在と、RUSTAD自身のキャリアの到達点を同時に味わえる愛情深い一枚になっています。
発売・販売元 提供資料(2025/12/19)