チャールズ・マッケラス生誕100年記念
HMV, Pye, Columbia Graphophone, Classics for Pleasure, EMI Classics, Virgin Classics & Erato への全ての録音を集大成したCD-BOX
サー・チャールズ・マッケラス(1925年~2010年)は、クラシック音楽界における偉大な存在であり、その多才さ、綿密な音楽学的研究、そして情熱的な演奏で知られています。オーストラリアに生まれ、キャリアの大半をイギリスで過ごし、イングリッシュ・ナショナル・オペラの首席指揮者を務めたほか、世界中の主要なオーケストラやオペラに客演を重ねました。
マッケラスは、ヤナーチェク、ドヴォルザーク、モーツァルトの解釈で特に高く評価されています。原典資料や当時の演奏習慣に関する深い知見に基づき、親しまれてきた作品に新たな光を当てる演奏を繰り広げました。そのディスコグラフィーは非常に幅広く、多彩なレパートリーを網羅し、数多くの賞に輝いています。卓越した指揮者であると同時に、優れた音楽学者でもあり、複数のオペラの校訂も手がけました。彼の功績は、音楽への真摯な姿勢と、聴衆や演奏家を惹きつけてやまない情熱に満ちています。
このセットには、1951年の録音デビュー作《パイナップル・ポール》から、後期の傑出したオペラ録音の一つ《イドメネオ》に至るまで、60年以上にわたるマッケラスの録音遺産の多くが収録されています。彼が得意としたレパートリーのみならず、その活動は広範な作品に及びます。ヘンデル、モーツァルト、サリヴァン、そしてチェコ音楽(特にドヴォルザークとヤナーチェク)の権威として広く認められる一方で、ベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、マーラー、イギリスやロシアの音楽、バレエ音楽、軽妙な管弦楽作品でも見事な手腕を発揮しました。1990年以降では、モダン・オーケストラへナチュラル・トランペットやホルンの導入や、ピリオド楽器オーケストラであるエイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団を指揮してのシューベルトやメンデルスゾーンなどでは、マッケラスの作品研究への強い意欲が感じられる名演ともなっています。(既に1976年録音の「王宮の花火の音楽」ではセルパンを導入。)
また、バレエ音楽《パイナップル・ポール》や《ザ・レディ・アンド・ザ・フール》、そして魅力的な声楽アルバムにおける編曲者としての才能も、このセットを通じて知ることができます。
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ワーナーミュージック・ジャパン
発売・販売元 提供資料(2025/09/05)
彼の演奏が60年もの長きにわたり、幅広いレパートリーで驚くべき一貫性を保ち得た秘訣は何だったのでしょうか。その答えは、マッケラスの最も親しい共演者の一人、ジャネット・ベイカーの言葉に集約されているかもしれません。彼の80歳の誕生日を記念したガーディアン紙のインタビューで、彼女はこう語っています。
「彼の存在理由、生きる原動力、そのすべては楽譜に敬意を払うこと。それ以外は何も重要ではありません……彼は目の前の作品に対して驚異的な集中力を持っています。偉大な指揮者なら誰もがある程度は持っているものですが、チャールズの場合、その瞬間、彼は音楽そのものになるのです」
マッケラスのCDは一部を除いて現在ほとんどが廃盤となっていますが、本セット中CD約9枚分に相当する音源が、HD 192kHz/24-bitでリマスタリングされ収録。さらに、これまで未発表だった録音も一部含まれており、マッケラスの全貌を見ることのできる初めてのものとなります。
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