Revolver

Quartet Recordsは、EMI General Music Publishingと共同で、セルジオ・ソリーマ監督の1973年の暴力的スリラー『非情の標的(Revolver)』のための、エンニオ・モリコーネによる象徴的なポリス映画スコアを、リマスター再発盤として発表します。オリバー・リードとファビオ・テスティ主演のこのイタリア・フランス合作映画では、刑務所長が誘拐された妻と引き換えにフランス人犯罪者を引き渡すことを強要されますが、やがて彼らはより大きな陰謀の糸口を見つけ出します。
『非情の標的』のために、モリコーネはダニエル・ベレッタが歌うオリジナル曲「Un Amico」を作曲しました。これは、ローマの巨匠が書いた中でも最も美しいメロディーの一つと言えるかもしれません(タランティーノ監督が『イングロリアス・バスターズ』の重要なシーンにこの曲を使用しました)。また、モリコーネは哀愁を帯びた、そしてどこか遊び心のある愛のテーマ(「Anna」)や、彼独自のスタイルによるいくつかの背景音楽も提供しています。
このスコアのもう一つの重要な要素は、「Revolver」または「Inseguimento e Fuga」と題された楽曲です。モリコーネは、このダイナミックな曲の12分版や、映画のさまざまな場面に合うよう、異なるアレンジ版を作曲しました。「Revolver」は、ピアノとオーケストラによるドライヴ感のあるスタッカートの楽曲で、繰り返され、高揚していくことで、暗く推進力のある雰囲気を作り出しています。このスタイルは、犯罪やギャングのアクションを描く際のモリコーネの代名詞となりました。彼はアメリカのギャング映画『ステイト・オブ・グレイス』、『アンタッチャブル』、そして『バグジー』でも非常に似たアプローチをとっています。
『非情の標的』のオリジナルLPは、1973年にイタリアでGeneral Musicからリリースされ、1977年に日本で再発されました。その後、同じプログラムはドイツ(Allhambra)、イタリア(Dagored)、日本(Seven Seas)で何度もCD化されました。モリコーネがこの映画のために録音した音楽のほぼすべてを収録した拡張版は、2006年にGDMからリリースされ、すぐに完売しました。
今回のリリースは、その2006年版の再発盤であり、Daniel WinklerとClaudio Fuianoが監修し、Chris Maloneがオリジナルのマスターテープから完全にリマスタリングしました。パッケージには、映画音楽ライターのJeff Bondによる詳細なライナーノーツが収録されています。

An original soundtrack recording from the 1972 Italian classic crime story Revolver in Ennio Morricone's tense and dramatic compositional style. The film is also known as Blood in the Street and stars Oliver Reed as the protagonist. Those looking for the kitsch and funky sound of classic '70s Morricone will find much to delight in here. Featuring sweeping minimalist string arrangements beautifully juxtaposed with more beat and funk passages, this is one of his more inspired early-'70s works. ~ Skip Jansen

モリコーネのノワール・サントラ、傑作の拡張盤登場。 『非情の標的』(1973) サウンドトラック・拡張盤 音楽　エンニオ・モリコーネ 監督　セルジオ・ソリーマ 主演　オリバー・リード、ファビオ・テスティ 妻が誘拐され、獄中の暗殺者を脱獄させられる看守。 70年代のイタリア暗黒街サスペンスの傑作として ファンに名高いソリーマ監督作の、モリコーネ代表作とも いうべき名盤の拡張盤。テーマ・メロディの果てしないほどの 美しさ、サスペンス・シーンのおなじみの旋律、そして、今回は 過去のリリース(DAGORED盤)より10曲24分もの追加収録。 今回初めて聴けるメロディ・パターンもあり。モリコーネ・ファン、 クールなサントラを、という方、必携盤。 (渋谷店4Fサントラ・コーナー内に膨大なエンニオ・モリコーネ・コーナーございますので、そちらもご利用ください) (C)馬場敏裕

音楽　エンニオ・モリコーネ（73）、監督　セルジオ・ソリ－マ、主演　オリバー・リード、ファビオ・テスティの「非情の標的」サウンドトラック。なんといっても、テーマが、めちゃめちゃ美しい！！美しさでは、いちにを争うメロディをストリングスが奏でる、これにとにかく尽きる傑作。オルトラーニの「バラキ」とか 「戦争と友情」（祈願ＣＤ化）とならぶ、高音を生かしたメロディの傑作と思います。あのナンバーが、実はこういったハードアクションもののためのサントラの１曲というのが憎いところです。 (C)馬場敏裕