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園芸作業療法ガイドブック 園芸×作業がWell-beingな未来を創る

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フォーマット 書籍
発売日 2025年10月01日
国内/輸入 国内
出版社クリエイツかもがわ
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784863424012
ページ数 212
判型 B5

構成数 : 1枚

【第1章】植物と園芸の基礎知識(数珠美穂)

【第2章】「園芸作業療法」はじめの一歩
2-1 <精神領域>作業療法の原点
──こころとからだを癒す「園芸療法」
精神障害のある人に対する精神科作業療法や精神科デイケアでの取り組み(川村明代)
2-2 <身体領域>園芸が生きがいや新たな役割につながる
回復期リハビリテーション病棟での導入と実践の過程(真継大輔)
2-3 <老年期領域>園芸療法でMeaningful life の探求
デイサービスでの取り組み(石神洋一・石神裕美子)
2-4 <老年期領域>利用者・スタッフに愛される園芸療法ガーデン
開設当初から園芸療法を導入している介護老人保健施設(尾崎敏枝)
2-5 <老年期領域>植物のある暮らしの中で
──生きるよろこびにつながる活動
療養型病院での園芸療法(関屋病院・奥田由味子)
2-6<就労支援領域>地域特性を活かした農福連携
奄美大島での就労継続支援B 型事業所における農福連携の実践(田中基次)
2-7< 発達領域>子どもたちの「できる」を大切に、生きいきと!
インクルーシブ保育における集団園芸療法(中山里津子)

第3 章 農業×福祉の挑戦
3-1 健康寿命上位県の滋賀、医療や介護でノウフク連携!?
── " つながり" を生む暮らしの実現へ(小室雅紀・中井秀昭)
3-2 農家に嫁いだ作業療法士が取り組む農福連携(笠間令子)
3-3 農福連携における多様な関わりしろをデザインする
──西播磨圏域農福連携加工品開発事業(宮崎宏興)
3-4 農を活用した介護予防・社会参加・地域づくりへ
──岡山県津山市が取り組む「男の居場所」(安本勝博)
3-5 ビニールハウスがあるデイサービス
──通所介護事業所でのノウフク連携(大澤俊亮)

第4 章 農耕・園芸を用いたリハビリテーション
4-1 世界の流れに追いついた日本の園芸療法(澤田みどり)
4-2 海外における園芸療法の始まりから現代まで(小浦誠吾)
4-3 日本の作業療法における農耕・園芸の歴史(田崎史江)
4-4 園芸療法の定義・特徴・適応について(剱持卓也)

第5 章 園芸療法と作業療法の協働でよりよい支援を
5-1 これからの園芸作業療法──園芸療法の視点から(岩崎寛)
5-2 園芸を用いた療法の展望──作業療法の視点から(早坂友成)

コラム
自然と人々から学び合う 畑de 遊ぼう!(引野里絵)
現実的なコミュニケーションを促す園芸活動(木納潤一)
作業機能障害の視点から園芸活動を通した関わり(三宅優紀)
コミュニティガーデンと共感社会(宮崎宏興)

  1. 1.[書籍]

人類がこの地球上に誕生した時から、植物の恵みを受け、食糧や生活用品の素材として植物を栽培するようになり文明が築かれた。ハーバード大学のエドワード・オズボーン・ウィルソン博士の提唱したバイオフィリア理論では、「人は生まれつき植物と親密な関係をもっており、本能的に植物を求めているため、自然と繋がり、『快適さ、心地よさ』を得ることで、生物が本来もっている特性である『自然治癒力』を高め、自らの力でストレスを軽減する方向に働く」とある。

農耕・園芸の治療的利用の源流は、作業療法の歴史とともにある。日本では、1990年代初頭から精神病院で作業治療の手段としてもちいられ、知的障害児・者の養護教育や作業所、授産施設の作業種目として作業種目の一つとしてもちいられてきた。欧米では2度の世界大戦後、退役軍人病院で行われたさまざまな種目の中で、作業療法の種目として導入された園芸は大きな効果をもたらし、1973年にはアメリカ園芸療法協会の前身である団体が設立され、1990年代には、園芸療法という名称で日本にも取り入れられた。

園芸療法とは、「植物や植物が育つ環境、植物に関連する諸活動を通して、身体や精神機能の維持・回復、生活の質の向上をはかる」と定義されている。そして現在も、作業療法士、園芸療法士をはじめとする専門職が、病院、高齢者施設、就労支援などにおいて、農耕・園芸を積極的に取り入れ、対象者の支援に活用している事例がある。

このように、人の生活において植物は身近な存在であり、歴史上からも作業療法と農耕・園芸との関連は深く、現在においても実践的に取り入れられている事例があるが、それらを総合的にまとめた書籍はみられない。また、園芸療法をはじめたいと思っている人から、「何からはじめたらよいのか?」という質問がよくある。そういう人たちにとって、実践的に園芸療法を取り入れている事例は役に立つものであると考える。

そこで本書では、園芸を用いた作業療法=園芸作業療法と位置づけ、作業療法士をはじめとする医療・福祉専門職や、医療機関・福祉施設で働くスタッフ向けに、農耕・園芸を用いた実践や、事例報告を通して、その効果について共有できることを目指し、また作業療法士、園芸療法士が現在さまざまな分野で、どのように農耕・園芸を活用しているか、モデルとしての実践とノウハウを紹介する。
本書の出版により、作業療法士が分野を超えた共通のツールとしての農耕・園芸を活用できるきっかけをつくることや、リハビリテーションにかかわる他職種も園芸療法への理解が深まること、園芸療法士との連携のきっかけづくりとなることを目指し、園芸療法初心者にもわかりやすいガイドブックをつくりたい。そして今後、作業療法、園芸療法を含むリハビリテーションにおいて、対象者により質の高いサービスを提供し、職員が元気になるとともに対象者の生活が豊かになることを期待する。

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