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外科系医師が知っておくべき創傷治療のすべて

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フォーマット 書籍
発売日 2017年04月14日
国内/輸入 国内
出版社南江堂
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784524254866
ページ数 310
判型 B5

構成数 : 1枚

【書評1】
外科医にとっては、切った皮膚の傷が治るのは当然のこととこれまで考えてきた。血流さえあり、きちんと傷が縫い合わされていれば治るのが当たり前で、縫って7日すれば抜糸を行うのが常識であった。本書はこんな外科医の常識に釘を刺す一冊である。
本書は、全章が形成外科医によって書かれている。創傷をいかに綺麗に治すか、創傷治療の専門家の形成外科医たちが書いた一冊である。本書の内容は、創傷の定義から始まり、急性創傷と慢性創傷の違い、創傷治癒の原理、創傷治療の考え方、縫合法、保存的治療など創傷治癒の基本を最初に述べ、続いて急性創傷治癒の実際として顔面外傷や手、四肢など頻度が高く、専門的知識を有する部位の外傷の診断と治療の実際、および熱傷の診断と治療を述べている。外科系医師が関係する手術創の治癒に関して多くのページが割かれ、トラブルの原因や対処を部位別に詳述してある。慢性創傷としては褥瘡や下腿潰瘍、その他の難治性潰瘍の診断と治療のエッセンスを述べてあるほか、再生医療の応用にも言及している。さらに肥厚性瘢痕、ケロイド、瘢痕拘縮などの診断と治療の実際も専門的に述べている。基礎的な創傷治癒の理論から臨床上の細かい工夫まで最新の知見が一冊に網羅されており、外科系医師は初期研修、後期研修の期間に一度は読むべき一冊といえる。
筆者は特にI章Bの「創傷治癒の原理と考え方」が興味深かった。表皮を構成する表皮角化細胞とメラノサイトは外胚葉由来で、真皮を構成する結合織と血管は中胚葉由来とまったく別物で、表皮は再生するが真皮結合織は再生されることはなく、修復されるだけであることが創傷治癒の基本であるとの記載である。すなわち、傷が治るということは真皮が修復された表面に表皮が再生されて被覆する(上皮化)ことにより達成される。真皮が修復された表面に表皮が再生された部分では正常皮膚と違う外観を呈し、これが"傷あと"であるとの記載は、創傷治療では当たり前のことであるが、外科を長くやってきた筆者にとっても新鮮な記載であった。
「たかが創傷、されど創傷」。外科医たるものは、外傷による創傷であれ、自らメスを入れた傷であれ、創傷が治る過程、創傷治癒が遅延する因子、さまざまな創傷部位の治癒過程の違いなどを知っておくことは必須である。本書はこれら疑問に十分答えてくれる一冊である。

胸部外科70巻10号(2017年9月号)より転載
評者●広島大学外科学(第一外科) 末田泰二郎

【書評2】
本書は、日本創傷外科学会の監修のもと、2017年4月に発行された。日本創傷外科学会は日本形成外科学会員が主要メンバーになって、創傷をはやくきれいに治すことを目的に2008年に設立された比較的新しい学会である。学会でこれまで蓄積されてきた成果が、本書の随所に記載されている。本書の特徴は、外科系医師であれば誰もが扱う身近な創傷をテーマにして、治癒のメカニズム、診断と評価、治療法の選択に関して、実際の写真や図を示しながら、基本的事項から実際の手技にいたるまで具体的に記載されていることである。系統的かつ視覚的に創傷のすべてを理解しやすくなっている。
本書の内容は、(1) 創傷治癒の原理と治療の基本的な考え方、(2) 外...

  1. 1.[書籍]

創傷外科治療,いわゆる「けが」「キズ」「キズあと」の治し方に関する知識・技術は形成外科医だけでなく,外科領域を中心として医師に広く求められる.近年では生体反応のメカニズムや環境・力学的要因など基礎面でもアップデートがみられ,臨床医は最新の情報にふれておく必要がある.創傷外科治療のエキスパートである創傷外科専門医の基本的な考え方,縫合技術,創処置技術について解説し,創傷外科専門医を目指す形成外科医や外科系医師のみならず,一般開業医,在宅医療に従事する医師にも役立つ一冊.

【序文】
日本創傷外科学会は日本形成外科学会員を主なメンバーとして、2008年に設立された比較的新しい学会です。瘢痕(キズあと)が目立たないようきれいに治すのが本業の形成外科医が、ありふれた疾患でもある創傷(キズ)に正面から向かい合い、創傷を早くきれいに治すことを目的として設立されました。創傷を早くきれいに治すには創傷治癒メカニズムを知ること、創傷の正しい診断と評価を行うこと、適切な創傷治療法を選択することが基本です。日本創傷外科学会はこの基本知識の理解のもとで、熱傷、外傷などの急性創傷や褥瘡、下腿潰瘍などの慢性創傷、ケロイドや肥厚性瘢痕、瘢痕拘縮などの創傷の後遺症、これら創傷のすべてを基礎から臨床まで幅広くかつ奥深く精通している創傷の診断と治療のスペシャリストを育て、かつスペシャリスト同士の情報交換を通じて創傷や瘢痕の病態のさらなる解明と治療成績の向上を図って活動してまいりました。
この日本創傷外科学会が設立されて間もなく10年になろうとしていますが、これまでに積み重ねられた成果を、国民に還元し社会に貢献するために、創傷治療の現場を担っている外科系医師に知っていただきたい創傷治療のすべてをわかりやすく伝える目的で、本書を企画いたしました。タイトルは外科系医師と記しましたが、外科系医師に限らず創傷治療にかかわるすべての医師やWOCナースその他関係者にも知っていただきたい内容です。
具体的には、創傷の定義から始まり、急性創傷と慢性創傷の違い、創傷治癒の原理、創傷治療の考え方、縫合法、保存的治療など創傷治療の基本を最初に述べています。続いて、急性創傷治療の実践として顔面外傷や手、四肢など頻度が高く専門的知識を有する部位の外傷の診断と治療の実際および熱傷の診断と治療を述べています。外科系医師に関係する手術創については多くのページを使い、トラブルの原因や対処を部位別に詳述しました。慢性創傷としては褥瘡や下腿潰瘍その他の難治性潰瘍の診断と治療のエッセンスを述べているほか、再生医療の応用についても述べています。肥厚性瘢痕、ケロイド、瘢痕拘縮などの診断と治療の実際もそれぞれのスペシャリストが解説いたしました。
基礎的な理論から、臨床上の細かい工夫まで創傷治療に関する最新の知見をすべてこの一冊で網羅していますので、本書をお読みいただくことで、皆様の創傷治療成績が上がることを願っています。

鈴木茂彦
寺師浩人

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