世界的なアイコン、レコード・ブレイカー、ボーカル・パワーハウス。史上最も売れた女性アーティスト、Mariah Careyが待望の16枚目のスタジオ・アルバム『ヒア・フォー・イット・オール』でカムバック。 (C)RS
JMD(2025/08/23)
世界的なアイコン、レコード・ブレイカー、ボーカル・パワーハウス。史上最も売れた女性アーティスト、Mariah Careyが待望の16枚目のスタジオ・アルバム『ヒア・フォー・イット・オール』でカムバック。
世界的なアイコン。レコード・ブレイカー。ボーカル・パワーハウス。Mariah Careyが待望の16枚目のスタジオ・アルバム『Here For It All』でカムバックする。これは、2018年の『Caution』以来となるフルアルバムだ。ファンからは「MC16」と呼ばれ待望される『Here For It All』は、ジャンルを大胆に融合させた作品で、Mariahのあらゆる時代を現代に蘇らせている。
11曲を通し、彼女はシンガー、ソングライター、そしてプロデューサーとして比類なき才能を発揮し、ゴスペル、R&B、ヒップホップ、ポップスを豊かなハーモニー、鋭いリリシズム、そしてMariahならではの独特のセンスで融合させている。ビルボード・ホット100に初登場し、ビルボードR&B/ヒップホップ・デジタル・チャートで首位を獲得したブレイクアウト・シングル「Type Dangerous」を筆頭に、『Here For It All』は単なる復帰作ではない。Mariahの輝きを改めて思い起こさせる、音楽界で最も称賛されているアーティストの一人による力強い新たなチャプターを刻む作品だ。
発売・販売元 提供資料(2025/08/20)
こちらのマライアは8年ぶり16作目のオリジナル・アルバム。2005年の金字塔『The Emancipation Of Mimi』の20周年も記憶に新しいなか、同作などのデフ・ジャム黄金期やエピック移籍を後見したLA・リードと組んだ待望の一枚だ。エリックB&ラキム"Eric B. Is President"を使用した先行カット"Type Dangerous"をはじめ、王道の"Sugar Sweet"、さらにはアンダーソン・パークとの"Play This Song"、クラーク・シスターズを招いた"Jesus I Do"まで多彩な楽曲が揃っている。
bounce (C)大原かおり
タワーレコード(vol.502(2025年9月25日発行号)掲載)
オープニングの「MI」はテイラー・スウィフトの「the 1」(by『フォークロア』)のような”はじまり”の雰囲気を持つ。続く「PLAY THIS SONG」の入りなどはスマートなFM番組のジングルを聴いているみたいで心和む。以降、バラードの熱量はほどよく抑えられ、ビターな楽曲の矛は尖り過ぎず、いい意味で軽いし、やさしい。
カヴァー曲の「MY LOVE」もオリジナルに負けていない。あまりにもベタな選曲なのだが、原曲が描く美しい夕映えの情景をそのままマライア色に染め直している。これまでも、二ルソン、アリシア・キーズ、ジャーニー…と、鉄板バラードを自分ぴったりの衣装に仕立て直し、披露してきた。そのセンスとフィット感は、カーペンターズよりもマイケル・ボルトンのリフォームに近いものを感じる。失敗は一つもない。
収録曲にはアルバムを引き締めるR&B寄りのヒップでホップしているナンバーもあるのだが、全体の趨勢として、ライトでメロウなソフト・バラードが主導権を握っている。
どの楽曲も一口サイズのミニ・チョコレートのように、アルバムというパッケージの中でコンパクトに詰め合わされている。特別なラッピングは要らない。モノクロームのポートレートで十分だ。短尺集なのに物足りなさを感じないのは、一つひとつの楽曲を丁寧に歌い上げているからだと思う。”凄み”もない分、”エグみ”もなく、マイルドでとても聴きやすい。