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成人股関節疾患の診断と治療

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フォーマット 書籍
発売日 2025年10月24日
国内/輸入 国内
出版社南江堂
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784524277889
ページ数 208
判型 A4

構成数 : 1枚

【序】
成人股関節疾患は,変形性股関節症をはじめとして,大腿骨頭壊死症,炎症性疾患,感染性疾患,さらには腫瘍性疾患など多岐にわたります.代表的な疾患である変形性股関節症は,高齢化に伴い人工股関節全置換術を受ける患者数が増加の一途をたどり,臨床現場での対応の必要性は年々高まっております.2024年5月に刊行された『変形性股関節症診療ガイドライン2024(改訂第3版)』では,変形性股関節症の疫学・病態・診断・治療に関するエビデンスが集約され,標準的診療指針がいっそう明確化されましたが,臨床現場においては依然として未解決の課題が残されており,ガイドラインの範疇を超えた先進的技術や新知見の共有が求められております.

人工股関節全置換術に関しては,インプラントの改良,低侵襲アプローチの普及,コンピュータソフトウェアを用いた詳細な術前計画の施行,さらにはナビゲーションやロボット支援技術などの導入により,術後成績は向上しております.2024年度の診療報酬改定において,ロボット支援人工股関節全置換術が新設されたことは,その臨床的有用性を裏付けるものであり,今後のさらなる普及が予想されます.また,関節温存手術や再生医療・細胞治療の発展は,患者背景や病態に応じた多様な治療選択肢を臨床にもたらしつつあります.

本号では,対象を非外傷性成人股関節疾患に限定し,疫学,病態から診断,保存療法,関節温存手術,人工股関節全置換術,リハビリテーション,さらには術後合併症対策にいたるまで,包括的に最新の知見を収載いたしました.また,ガイドラインで取り上げられている標準的知識にとどまらず,自己蛋白質溶液(APS)による新規治療,仮想現実(VR)技術を用いた手術支援,術後の生活の質(QOL)向上をめざすリハビリテーションなど,エビデンス構築の途上にある先進的な取り組みも取り上げております.

日常診療に携わる整形外科医の先生方にとって,本特集が成人股関節疾患の理解を深め,今後の診療と研究の一助となることを心より願っております.

2025年10月

横浜市立大学教授
稲葉 裕

【目次】
I.疫学・病態
1.変形性股関節症
変形性股関節症はいつ発症するのか 天神彩乃
寛骨臼形成不全股における大腿骨の形態学的特徴 少前英樹
なぜ人工股関節全置換術後に腰痛が改善するのか
―人工股関節全置換術前後の脊椎アライメント変化 奥津弥一郎
2.大腿骨頭壊死症
診療群分類包括評価データからみた大腿骨頭壊死症治療の推移 田中秀達
腎移植における併用免疫抑制剤と大腿骨頭壊死症発生の関係 林 成樹
3.感染性疾患
股関節症に潜む炎症性疾患 北出 誠
II.治 療
1.保存療法
1)運動療法
変形性股関節症に対する新たな運動療法
―3Dジグリング 高平尚伸
股関節唇損傷に対する徒手療法の可能性 畠山智行
2)関節内注入
末期変形性股関節症に対する
autologous protein solution注射の治療成績 鵜養 拓
2.関節温存手術
1)骨盤骨切り術
小児股関節疾患と骨系統疾患および麻痺性股関節疾患後遺残変形に対する
Chiari骨盤骨切り術の治療経験 佐野敬介
最小侵襲をめざした寛骨臼骨切り術―縫工筋内側筋間アプローチによる
spherical periacetabular osteotomy 石倉久年
2)関節...

  1. 1.[書籍]

2024年5月に改訂された『変形性股関節症診療ガイドライン(第3版)』では,診断・治療に関する新たなエビデンスが加わった.人工股関節全置換術(THA)はインプラントの改良や手術手技の向上,新しい手術支援技術の導入により術後成績は向上し,施行件数は年々増加している.本号では非外傷性の成人股関節疾患に焦点を当て,各疾患の病態・治療経験からTHA,骨切り術などの手術術式まで幅広く取り上げた.

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編集: 稲葉裕

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