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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年09月09日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 金剛出版 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784772421294 |
| ページ数 | 240 |
| 判型 | A5 |
構成数 : 1枚
1-序章
私たちは何を学び,何を学んでこなかったのか 西井 開
2-ジェンダーセンシティブ心理臨床を巡る2つの対話
インタビュー1|フェミニズム,身体,土着 村本邦子/聞き手=西井 開・向井理菜
インタビュー2|小さな働きかけを大切に 葛西真記子/聞き手=西井 開・日野 映・向井理菜
コラム|インタビューを終えて 向井理菜
3-ジェンダーセンシティブ心理臨床を巡る2つの討議
共同討議1|セラピストは葛藤する――ポジショナリティと多様性への開かれ 齋藤 梓・坂梨 唯・梨谷美帆・西井 開・日野 映・向井理菜
共同討議2|セラピストは問いつづける――ジェンダーセンシティブからポジションセンシティブへ 齋藤 梓・坂梨 唯・梨谷美帆・西井 開・日野 映・向井理菜
4-論説|ジェンダーセンシティブ心理臨床を問う
1-専門性を問い直す/価値を再構築する
性暴力・トラウマ・医療化――英語圏のフェミニズムが問うたもの 井上 瞳
日本の心理臨床の功罪――箱庭療法によって刻まれたジェンダーコード 日野 映
回復の指標のジェンダーバイアス 井ノ崎敦子
セラピストのマイクロアグレッション――ジェンダーセンシティブな心理臨床とセラピストの境界線の自覚 水木理恵
臨床の倫理と運動の論理――心理臨床家が社会運動にひらかれるとき 梨谷美帆
2-日常的実践のフィールドノート
被害者臨床――ジェンダーの観点から 齋藤 梓
ジェンダーを介した男性臨床の探究 西井 開
トランスジェンダー臨床――当事者・性別二元論・専門性の狭間で 坂梨 唯
遊動するポジショナリティ――加害と被害への眼差し 古賀絵子
5-終章
ジェンダーセンシティブな心理臨床を問う――セラピーにおけるアイデンティティとポジショナリティ 向井理菜
個人の抱える困難や苦悩は「こころ」の内部だけに収まるものではなく、社会問題が深く関わっている。女性や性的マイノリティの貧困、社会資源へのアクセスの非対称、同性愛者やトランスジェンダーの当事者への社会的スティグマ、社会的排除、性暴力、男性の感情表現の失語……これらあらゆる事象にジェンダーの問題は埋め込まれている。そしてジェンダーの問題はクライエントだけが抱えるものではなく、臨床家の臨床観・理論・生活にも影響を与えている。
一方で、アカデミズムの文脈とは別に、フェミニストカウンセリング、男性相談、性的マイノリティへの心理支援など、ジェンダー視点を踏まえた草の根の運動史があるにもかかわらず、日本の心理臨床界ではジェンダー視点は未だ十分に論議されていない現状がある。
臨床心理士・公認心理師をはじめとする対人援助専門職家に向けて、ジェンダーにセンシティブな臨床とはいかなるものかを考えようと試みた本書は、このような社会構造と歴史的経緯から生まれた。女性支援および性的マイノリティ支援を牽引してきた村本邦子氏と葛西真紀子氏へのインタビューを皮切りに、編集委員内の対話から浮かび上がった現代的課題を検証する論考から構成されている。日本の心理臨床界・心理学におけるジェンダー秩序の史的考察から、臨床現場におけるジェンダーバイアスやマイクロアグレッションがもたらす負の側面の批判的検証、性暴力、DV、性別違和など具体的な臨床実践においてジェンダー視点を活かす可能性を考察する。
その場限りの技法論ではない、臨床の質的変化をもたらすための、ジェンダーセンシティブな心理臨床論。

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