書籍
書籍

CALSハンドブック(原書第5版) 心臓血管外科術後の急変・心停止に対する対応・心肺蘇生

0.0

販売価格

¥
3,520
税込
還元ポイント

販売中

お取り寄せ
発送目安
2日~14日

お取り寄せの商品となります

入荷の見込みがないことが確認された場合や、ご注文後40日前後を経過しても入荷がない場合は、取り寄せ手配を終了し、この商品をキャンセルとさせていただきます。

フォーマット 書籍
発売日 2025年10月01日
国内/輸入 国内
出版社南江堂
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784524210084
ページ数 120
判型 B5

構成数 : 1枚

【序文】
心臓・胸部大動脈術後の患者が心停止に陥った際,現場の医療従事者が直面する課題は少なくありません.「胸骨圧迫を行っていいのだろうか?」,「次は何をすべきだろうか?」といった一瞬の迷いや戸惑いが,患者の救命率や社会復帰率を大きく左右します.こうした1分1秒を争う状況において,標準化されたプロトコールに基づく迅速な対応が不可欠であることは言うまでもありませんが,従来のACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)では必ずしも十分ではないことは,ACLSの提唱母体である米国心臓協会(AHA)自身も認めています 1).この問題に対する解決策として,心臓・胸部大動脈術後の心停止への対応に特化したプロトコールとして提唱されたのが,CALS(Cardiac Surgery Advanced Life Support)です 2).

CALSは,2003年に英国の胸部外科医であるJoel Dunning先生が心臓・胸部大動脈術後の心停止に際しての混乱を実際に経験したことを契機として構築され,その後,欧州心臓胸部外科学会(EACTS),欧州蘇生協議会(ERC),国際蘇生連絡委員会(ILCOR),米国胸部外科学会(STS),AHA,オーストラリア・ニュージーランド心臓・胸部外科学会(ANZSCTS),オーストラリア・ニュージーランド集中治療学会(ANZICS)などのガイドラインやエキスパートコンセンサスとして国際的に採用が広がっています.

CALSでは,心停止覚知時,即座に胸骨圧迫を開始するのではなく,まずはリズム評価を行い,適応リズムであれば胸骨圧迫の前に除細動やペーシングを試みるなど,心臓・胸部大動脈術後特有の病態に即した対応を体系化しています.また,心停止から5分以内に緊急再開胸を達成できる体制づくりやシミュレーショントレーニングを推奨し,患者の救命率と神経学的転帰の向上を目指しています.
ただし,ここでよくある誤解に対する重要な注意点が2つあります.1つ目は,CALSでは「胸骨圧迫をいついかなるときでも絶対に行わない」というわけではないということです.胸骨圧迫開始前に自己心拍再開(ROSC)が望める対応策があるのであればそれを優先的に試みるということに過ぎず,それらの対応策が無効であったときやそもそもそれらの適応リズムではない場合には,当然即座に胸骨圧迫を開始します.2つ目は,緊急再開胸についてもそれが必要と判断された際には迅速に行える体制づくりや物品準備,シミュレーショントレーニングはしっかりと行いつつも,必ずしもすべてのケースで緊急再開胸を実施しなければならないわけではないということです.むしろ,CALSプロトコールに沿った蘇生対応を行うことにより,ACLSに基づく対応と比較し,最終的に緊急再開胸を要した症例の割合は低下したという報告もあります.

さて,前述のように世界的にCALSの普及が進むなか,日本においてもCALSの導入は喫緊の課題です.心臓・胸部大動脈術後の患者に関与する医療従事者は,心臓血管外科の医師だけでなく,麻酔科・集中治療科・循環器内科などの医師,臨床研修医,看護師,臨床工学技士,リハビリテーション専門職,放射線技師,薬剤師など多岐にわたります.チーム医療を強化し,共通のプロトコールに基づく対応を徹底することで,患者の安全を守り,心臓血管外科医療の質を今まで以上に向上させることが重要です.本書は,そのための標準的な手引きとして,CALSの概念と実践を体系的に解説することを目的としています.

  1. 1.[書籍]

心大血管術後の急変対応・蘇生に特化したプロトコール"CALS(The Cardiac Surgery Advanced Life Support Course)"の初の日本語版テキストであり,2025年秋にスタートするCALSトレーニングコースの公式テキスト.原書翻訳に加え,日本の医療体制に即した注釈を豊富に収載.本テキストでCALSプロトコールを学ぶことにより,ハートチームとして心大血管術後患者の急変に自信をもって対応することができる.心大血管術後患者のアウトカム向上につながるテキストであり,働き方改革による他科医師・多職種へのタスクシェアといった日本が抱える医療課題の解決にも寄与する一冊.

作品の情報

メイン

メンバーズレビュー

レビューを書いてみませんか?

読み込み中にエラーが発生しました。

画面をリロードして、再読み込みしてください。