Zeppelin

Caldera Recordsが贈る、ロイ・バッドによるアクションスリラー「ツェッペリン(Zeppelin)」のスコア。
1960年代から70年代にかけて、第一次世界大戦と第二次世界大戦の恐怖を描いた作品は、娯楽的なアクション映画として多数制作されました。「ツェッペリン」もその一つです。Michael York演じる英国陸軍の若き中尉が、ドイツへの秘密任務に派遣されます。ドイツは、高度12,000フィートまで飛行可能で、当時の英国航空機よりも高く飛べるツェッペリンLZ 36を建造していました。この任務は、中尉の命と英国の存亡を脅かす危険なものとなっていきます。

この映画の最も強力な要素は、ロイ・バッドが手掛けたスコアです。彼は、心を揺さぶる印象的なサウンドトラックを提供し、自身の最も洗練された完成度の高い作品の一つとして位置づけられています。バッドがこのスコアを作曲したのはまだ20代前半だったことを考えると、特に称賛に値する功績です。ロイ・バッドは、重厚なアクション音楽でその実力を発揮する一方で、彼のトレードマークであるジャズ風のスタイルをスコアに注入しています。これは、GeoffreyとErikaが登場する静かなシーンや、密会相手でありスパイであったStephanieとの場面で特に顕著です。この三角関係のためにバッドが用いたラブテーマは、彼の作品の中でも最も美しいものの一つです。

バッドによる「ツェッペリン」のスコアのリリースは、危うく日の目を見ないところでした。長らく、録音テープは紛失したと考えられていたのです。バッドの未亡人Sylviaは、自身の個人的なアーカイブに一部の抜粋を収録したステレオテープを1本所有していましたが、何十年もの間、スコアの大部分はどこにも見当たりませんでした。しかし、2024年初頭、ロイのいとこが録音物からいくつかの抜粋を収録したアセテート盤を私たちに提示してくれました。私たちは、その音源の修復に最善を尽くしました。残念ながら、いくつかの楽曲は依然として見つかっておらず、今後発見される可能性も低いでしょう。このような状況を考慮しても、私たちは「ツェッペリン」のスコアからの抜粋をようやく発表できることを嬉しく思います。これによって、彼の才能と多才さに敬意を表します。ボーナスとして、ロイが1960年代後半から1970年代初頭に録音した、これまで未発表だったいくつかのインストゥルメンタル・デモも収録しました。

Caldera Recordsの65番目のCDリリースとなる本作は、Stephan Eickeによる詳細なブックレットと、Luis Miguel Rojasによるエレガントなアートワークが特徴です。CDはRichard Mooreによってマスタリングされ、Stephan Eickeがプロデュースしました。