アメリカはナッシュビル出身のシンガーソングライター、MADI DIAZ。20年近くのキャリアを積み上げてきた彼女のロマンスに溢れた鋭い探求心と自身の経験から得た本質が込められた甘くウェットな楽曲の数々は、リスナーだけでなくメディアや批評家からも高い評価を受けている。
今回、2021年のブレイク作『HISTORY OF A FEELING』、2024年グラミー賞に2度ノミネートされた『WEIRD FAITH』の続編として、リスナーに更に深く寄り添うアルバム『FATAL OPTIMIST』がリリースされる。失恋三部作の最終章である本作は、クラシックで時代を超越したインディー・フォークに乗せて親密で大胆な姿を晒す赤裸々な作品。結婚を考えていた相手との関係が終わったMADI DIAZは、知人たちや環境から一時的に距離を置いて孤独と向き合った。そうして失望や悲しみの涙で出来た海に囲まれる孤島で過ごしたことで、ぼんやりとしていた内なる自分の輪郭がはっきりした彼女は音楽制作を進め、本作を完成させた。
空虚な部屋の中、アコースティックギターと彼女の歌声だけが響いているような先行シングルの「Feel Something」。時折、バリトンギターやベースの繊細な伴奏がカーテンを揺らす。そんな失恋後の宙ぶらりんな感情の揺れ動きを描く中で、強弱をつけながらエネルギッシュに弦が弾かれるアコースティックギターと冷めない感情の熱が絶え間なく溢れる歌声が共鳴する。着飾らないシンプルな装いの中に複雑な感情が絡まるナンバー。
恋愛の残酷な面を経験し、世界と自身を遮断したことで孤独であるという事実が浮き彫りになった。それでも、自分からは決して目を逸らさなかった彼女。絶望を経験したことで得た光が、モノクロの世界で色鮮やかに輝く作品。
発売・販売元 提供資料(2025/08/07)
ハリー・スタイルズのツアー・サポートを務めたことも話題になったシンガー・ソングライターによる失恋3部作の最終章。フォーク・ロックな表題曲以外は、ほぼ弾き語りに近い、とことん音数を削ぎ落としたアンサンブルがとどめを刺すように彼女の感情を剥き出しにする。ある意味コアな作品とも言えるが、なかにはキャッチーでポップな魅力を閃かせる曲も。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.504(2025年11月25日発行号)掲載)