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「音」の戦争と日本近代 戦時下の日常で音楽はどう鳴り響いたのか

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フォーマット 書籍
発売日 2025年09月16日
国内/輸入 国内
出版社青弓社
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784787221063
ページ数 288
判型 46

構成数 : 1枚

序 章 日常に息づく戦時期の音楽文化 戸ノ下達也
1 音楽文化の水脈
2 戦時期の音楽受容

第1部 国内の音楽文化

第1章 日本の近代史をどう捉えるか――軍隊と社会の関係を中心に 吉田 裕
1 アメリカナイゼーションの地下水脈
2 近代的身体への改造
3 近代的時間秩序の形成
4 「西洋文明」と軍隊
5 一般社会の食生活と兵食とのずれ

第2章 戦前と敗戦後の音楽に関する連続性/非連続性――大阪朝日会館から考える 河西秀哉
1 「高級文化」「知識人文化」と「大衆的文化」の共存
2 「健全な文化・娯楽」の称揚
3 聴衆も作り上げる音楽

第3章 昭和初期・エロ・グロ・ナンセンスな世相と流行歌/唱歌――生きづらさに抗う大人/子どもの〈感情〉史 上田誠二
1 都市のモダニズムにみる天国と地獄――不安と懐疑と絶望があふれる社会
2 天国に結ぶ恋――純愛志向と売春慣行が並存する社会
3 子どもたちの連帯をつくる遊びの歌――覚醒する文部省唱歌の行方

第4章 昭和戦前期における堀内敬三の論調の変遷――流行歌・ジャズを中心に 青木 学
1 従来の堀内像とその位置づけ
2 幼少期から留学まで(一八九七―一九一七年)
3 ラグタイム・ジャズとの出合い(一九一七―二三年)
4 ジャズの普及、流行歌作曲者として(一九二三―三二年)
5 「満洲行進曲」の制作と意識の変化(一九三二―三七年)
6 ジャズ音楽の追放(一九三七―四五年)

第2部 海外と音楽文化の交差

第5章 近衛秀麿の過ごした戦時下のドイツ――音楽による日独外交という使命を帯びて 三枝まり
1 ナチス・ドイツと日本の音楽交流
2 ドイツ連邦公文書館資料が語る日独関係の音楽史
3 ドイツ時代の近衛秀麿のレパートリーとその評価

第6章 西洋音楽受容とともに歩んだ「国民音楽建設」とその戦後 本谷未奈理
1 戦前の「国民音楽」
2 戦後の「国民音楽」

第7章 植民地朝鮮における西洋音楽活動に関する試論――京城帝国大学教授夫人らと朝鮮人音楽家たちの相互関係を中心に 金志善
1 朝鮮における西洋音楽の受容
2 朝鮮での日本人女性音楽家の音楽活動

終 章 歌は美しかった――日本の「うた」への思い 五郎部俊朗
1 「歌は美しかった」――その取り組み
2 演奏家の目からみた「うた」の諸相

あとがき――音楽文化から敗戦八十年を問う 戸ノ下達也

  1. 1.[書籍]

明治期以降、西洋音楽が軍隊や教育の現場を中心に普及していき、大正期から昭和初期、そして戦時下に至る過程で、レコードやラジオを通じて音楽は人々の生活になくてはならない文化として定着した。戦争と音楽はプロパガンダの側面などが注目されがちだが、戦時下日本の日常で音楽はどのように鳴り響き、人々を楽しませていたのか。

日本近代史の捉え方という大きな視点や日本の近代音楽史のベースを押さえたうえで、大阪朝日会館での音楽の取り組み、エロ・グロ・ナンセンスと流行歌、堀内敬三の音楽観の変遷など、これまで注目されてこなかった音楽文化の諸相に光を当てる。

加えて、ナチス・ドイツと日本の音楽交流、ヨーロッパの「国民音楽」との交差、植民地朝鮮での音楽活動など、海外事情と音楽文化の緊張関係も掘り起こす。

国内外の事例に、戦前・戦後の連続性/非連続性という時間軸も織り込んで、敗戦後80年の2025年に「戦争と音楽」を鋭く問う貴重な成果。

作品の情報

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著者: 戸ノ下達也

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