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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年08月06日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | ナカニシヤ出版 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784779518775 |
| ページ数 | 208 |
| 判型 | A5 |
構成数 : 1枚
序章 観光自治へのアプローチ
1 観光・文化政策の学びを経て
2 観光振興史という視角からみえるもの
3 豊かな日常性への希求
第1章 観光・文化政策における「観光振興史」の射程
―主体性の変化に着目して―
1 旅文化と観光・文化マネジメントの位相
2 観光文化と地域振興のディレンマ
3 観光振興の両義性を捉えるための文化経済・文化政策の要諦
4 「町づくり」に見られる人びとの活き方
5 祭礼にみられる創造性と利他的行為の熟練
6 観光振興における文化政策の主体性についての考察
7 観光振興史の可能性と課題
―自立性と共同性の問題をめぐって―
第2章 観光振興に求められる地域住民の主体形成
―柳田國男と鶴見和子を手がかりに―
1 内発的発展と観光の交差
2 内発性に基づいた地域振興研究の相違
3 柳田國男と常民文化論
4 柳田國男と鶴見和子の一貫性、そしてその主体形成へ
第3章 暮らしの流儀から紡がれる観光自治
1 原体験によるコモンの蘇生
2 観光自治はいかにして可能になるのか
3 地域の「観光知」を磨く
4 原始人の思う観光の真摯さを見つめる
第4章 近江八幡堀界隈の風土形成
1 八幡堀界隈(近江八幡市)の風土
2 異文化を受け入れる土壌
―W・M・ヴォーリズと理解者としての吉田悦蔵―
3 まちや倶楽部の取り組み
―地縁と知縁の関係性に基づく酒蔵の再生―
4 開かれた風土の醸成とトランスレーター
第5章 台湾台南安平の自力蘇生
1 台湾における地域振興の略史
2 台湾第一号の街とは
―保存と開発の狭間から、ポスト「台湾第一」―
3 安平商圏の誕生
―信頼関係の醸成から―
4 昔の人にしか歴史を創る権利がないのか
第6章 宗教文化による地域創造のパラダイム転換 116
―旅する宗教青年―
1 萃点としての社と風土公共圏の再生
2 旅する宗教青年のバイタリティーの源泉
3 北投石浦神社
―宗教文化の両義性を超克して次世代へ―
第7章 嵯峨嵐山における観光振興の史的展開
1 嵯峨嵐山の伝承
―「暮らしの流儀」の痕跡を求めて―
2 嵯峨祭から広がる地域社会と静かな祭りに見られる地域の重層性
3 嵯峨嵐山おもてなしビジョン推進協議会の誕生
4 「暮らしの流儀」を可視化する試み
5 暮らしの流儀とその文化創造について
―儲からないイベント「嵐響夜舟」―
6 共感を持つことからの訪日観光振興
終章 観光自治の日々へ
1 地に足のついた観光自治のヒント
2 観光の学びを通して幸せを考える
*
註
参考文献
あとがき
人を惹きつける「地域の力」の根源は何か
近江八幡、嵯峨嵐山、金沢、台湾・台南などの「観光振興史」から日常に基づく「観光自治」のあり方を探究する
人を惹きつける「地域の力」はどこから生まれ、成長するのか。柳田國男や鶴見和子の思想を導きとしつつ、近江八幡、嵯峨嵐山、金沢、台湾・台南などの「観光振興史」から、当たり前の日常に基づく、地に足の着いた「観光自治」のあり方を探究する。
【本文からの引用】
観光文化を創造する権利や力は昔の人に限られたものではなく、今を生きる人びとが所与のものとして継承し、そこからの展開が新たな歴史となっていく。にもかかわらず、名勝地は一朝一夕にしてはならないというように、今日の観光振興を考えるにあたっては、暮らしの歴史を踏まえた観光、いわば、地域の観光振興史の構築が求められる。それは、その暮らしの歴史を通して、地域の文化資源を生かし、観光文化を創造するための「暮らしの流儀」の形成をみていくことである。
●著者紹介
郭 育仁(かく・いくじん)
1981年 台湾台南市善化区六分寮に生まれる。
2005年 文藻外語学院(台湾)日本語学部卒業。
2015年 同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了(博士・政策科学)。鈴鹿大学国際地域学部講師(2018年准教授)
現在 静岡英和学院大学人間社会学部教授。専攻/文化政策学・観光学。
著作 『これでよいのか観光政策――22 世紀に生きる子どもたちのために』〔編著〕(ビジネス実用社,2024 年),『次世代創造に挑む宗教青年――地域振興と信仰継承をめぐって』〔共編著〕(ナカニシヤ出版,2023 年),「民際的紐帯の形成とその訪日観光振興」(『鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要』6,2023 年),「地域観光政策をめぐって,宗教行事と地域振興の狭間に関する一考察――木之本地蔵大縁日を中心に」(『国際文化政策』3,2012 年),他。

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