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感情をめぐる法哲学と法思想

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フォーマット 書籍
発売日 2025年07月23日
国内/輸入 国内
出版社信山社
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784797228786
ページ数 336
判型 A5変形

構成数 : 1枚

『感情をめぐる法哲学と法思想』

橋本祐子(龍谷大学教授)・菅原寧格(北海学園大学教授) 編

【目 次】

◆序 章 法と感情のあいだ──問題の所在〔菅原寧格〕

一 問題の所在
二 問題の枠組み
三 本書における「法と感情」研究をめぐる展開
四 再び問題の所在

◆第I部 「法と感情」をめぐる法理論◆

◆第一章 「法と感情」研究に関する覚え書き〔橋本祐子〕

一 はじめに
二 「法と感情」研究とは何か
1 「感情」について/2 「法と感情」研究の特徴/3 「法と感情」研究の動向/4 「法と感情」研究の分類/5 日本における「法と感情」研究の受容
三 「法と感情」研究の法哲学的意義
四 むすびにかえて

◆第二章 裁判を支える感情〔椎名智彦〕

一 法における感情──課題の整理
1 追放言説の虚実/2 本稿の課題/3 立場と構成
二 裁判における感情
1 〈裁判官の冷厳性〉論の射程/2 〈法の支配〉の条件としての感情
三 感情応答言説の問題
1 序/2 谷口『裁判について考える』(一九八九)/3 検 討
四 結びにかえて

◆第三章 〝的はずれな妬み〟による差別・憎悪──と、切り捨てて済まない問題として〔吉岡剛彦〕

一 はじめに──本稿の問題意識
二 拡がるマイノリティ攻撃──在日コリアン・女性運動・障害者
1 在日コリアンに対するヘイトスピーチ/2 女性運動に対するバックラッシュ/3 障害者に対するバッシング
三 マイノリティの〝特権〟に対する〈妬み〉
1 「在日特権」という悪意のフィクション/2 ハンセン病「黒川温泉事件」と税金をからめた特権視/3 マイノリティの〝特権〟に対する〈妬み〉/4 正確な事実認識にもとづかない〝的はずれな妬み〟
四 名づけられていないマイノリティ性をどう手当てするか──「弱者の男性」論をめぐって
1 〝女性専用車両は男性差別〟になんとなく共感する雰囲気/2 「弱者男性」論/3 〝的はずれ〟とばかりはいえない(むすびにかえて)

◆第四章 羨望と分配的正義についての序論的考察〔福原明雄〕

一 はじめに──リバタリアニズムと感情の距離
二 羨望とは何か
三 「平等は羨望の隠れ蓑に過ぎない」をめぐって
四 ロールズにおける羨望と対処策
五 ロールズの対処は成功したのか
六 多様化と分散の方向へ
七 結びにかえて

◆第II部 「法と感情」をめぐる思想源流◆

◆第五章 法律は感情を欠く知性である──アリストテレス『政治学』第三巻第十六章における「怒り」を素材にして〔松島裕一〕

一 はじめに
二 『政治学』第三巻第十六章のラテン語訳
三 『ニコマコス倫理学』第二巻第五章のラテン語訳
四 『政治学』第三巻第十六章のラテン語註解
五 結びにかえて

◆第六章 法哲学における道徳感情論の意義──スコットランド啓蒙思想からのリーガルマインド批判〔中村隆文〕

一 はじめに
二 理性主義の歴史
三 現代的な法哲学論争
四 スコットランド法哲学の知的伝統
五 正義と効用との両立可能性
六 自然主義批判と道徳感情論
七 共感の限界について
八 市民感覚の導入とコンヴェンションの再生

  1. 1.[書籍]

◆「法と感情」研究の礎となる基本文献◆
果たして、法と感情の関係をめぐる新たな解釈を示すことは可能なのか――。法・法学にとって感情は望ましくないもの、有害でさえあるものとの理解が存在する中、わが国気鋭の法哲学者が、法理論、思想源流、思想展開の3つの視覚をとおして法と感情との関わり合い、あり方を問う。2021年日本法哲学会学術大会での議論をベースとしつつ、新たな論考も加える。「法と感情」研究の礎となる基本文献。

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