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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年07月15日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 信山社 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784797228564 |
| ページ数 | 534 |
| 判型 | A5変形 |
構成数 : 1枚
『民事訴訟目的論 ― 紛争解決説批判と憲法上の権利保護保障』(法律学の森シリーズ)
松本博之(大阪市立大学名誉教授) 著
【目 次】
◆序 本書の課題
1 民事訴訟の目的=紛争解決か
2 民事訴訟は市民の権利を保護しているか
3 本書の課題と考察の順序
(1) 本書の課題/(2) 考察の順序
◇◆第I編◆◇ 民事訴訟制度の目的―紛争解決説の成立,その論理構造および種々の問題
◆第I章 紛争解決説の登場
1 紛争解決説
2 日本国憲法下での紛争解決説=兼子・訴訟理論
3 兼子・訴訟理論は民事訴訟法学の金字塔か
◆第II章 兼子・訴訟理論における法史的観点
1 兼子・訴訟理論の法史的理解による民事裁判
2 Ehrlichの見解
3 訴訟を通じての実体法の生成,ローマ法理解
(1) ローマ法のアクチオ理解/(2) litis contestatio
◆第III章 紛争解決説に対する批判的見解
1 小室直人の批判
2 Max Weber, Hermann Jsay, Maine の見解
(1) M. Weberの見解/(2) Jsayの見解/(3) Maineの見解
3 伊東乾の批判
4 三ケ月章の紛争解決説と藤田宙靖の批判
(1) 藤田・三ケ月論争/(2) 三ケ月・紛争解決説に対する疑問/(3) 新堂幸司の反応
5 竹下守夫の見解
(1) 憲法との関連/(2) 竹下提案の評価
◆第IV章 自力救済から公的権利保護への過程
1 はじめに
2 復 讐
3 ローマ法と自力救済
(1) 種々の自力救済/(2) 正統な自力救済(legitime Selbsthilfe)/(3) 法律上の自力救済
4 中世ドイツにおけるフェーデ
(1) 復讐とフェーデ/(2) 騎士フェーデと神の平和運動,ラント平和令/(3) 非騎士フェーデ//(4) 贖罪金
5 ドイツ普通法時代の多数説とPuchta, Windscheidの見解
(1) ドイツ普通法/(2) 地方特別法/(3) プフタの見解/(4) 現行ドイツ法/(5) 国家の司法独占と権利保護
◆第V章 兼子・訴訟理論の法論理的構造
1 裁判規準としての実体法
(1) 兼子・訴訟理論による私法の行為規範性の否定/(2) 裁判規範としての私法規範の反射的作用/(3) 兼子自身による行為規範性の承認/(4) 裁判による紛争解決
2 私法法規=裁判規範説の理由づけと問題点
(1) 法哲学の観点/(2) M. E. Mayerの見解/(3) Binderの見解/(4) Pferscheの見解/(5) 兼子・訴訟理論による裁判規範説の受容
3 訴訟的法考察方法
(1) 訴訟法律状態説/(2) 兼子・訴訟理論による訴訟法律状態説の受入れと訴訟法律状態説の発展
4 裁判所による権利の「実在化」
(1) 確定判決による権利の実在化/(2) 兼子・訴訟理論の基礎となったドイツ法文献/(3) 権利実在化の内容とその批判
5 第V章のまとめ
◆第VI章 兼子・訴訟理論とJ. Goldschmidtの訴訟法律状態説
1 「訴訟法律状態説」
(1) Goldschmidtのローマ法の観念/(2) 訴訟法律関係説の否定と法状態による訴訟把握/(3) 訴訟的法考察方法/(4) 法的状態としての訴訟/(5) 取効的訴訟行為と与効的訴訟の行為の分類/(6) 既判力
2 訴訟法律状態説の批判
(1) 訴訟法律関係説からの批判/(2) 訴訟的法考察方法に対する批判/(3) 民事訴訟の目的との関係
3 日本における賛否
(1) 中野貞一郎による批判/(2) 三ケ月章による批判/(3) 訴訟法律状態説に積極的意味を認める見解
4 兼子・訴訟理論との比較
(1) 基本的差異/(2) 既判力...
◆民事訴訟の目的とは何か ― 権利保護説からする紛争解決説の批判◆
民事訴訟制度の目的=紛争解決の捉え方に対し、紛争解決説の主唱者である兼子一の歴史認識や法認識、論理的構造にまで立ち入って検討。
◆本書より…「民事訴訟制度の目的=紛争解決の捉え方に対しては、これまで問題視されてきたが、全体としては、依然として紛争解決説が支持されている。その原因は、紛争解決説批判に不十分な点があったことも与かっているように思われる。」すなわち「この説の主唱者である兼子一の歴史認識や法認識、論理的構造にまで立ち入った検討が遺憾ながら充分に行われなかったのが原因であった。」

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