伝説的アルバム『Let Em Ave It』の15周年を祝福して記念すべき初のヴァイナル化でリイシュー決定!!!GiggsがUKラップにおけるキャリアの礎を築いた超重要作!
Giggsが〈XL Recordings〉よりリリースした伝説的アルバム『Let Em Ave It』がリリース15周年を記念して初のヴァイナル化!イギリスのラップ・アイコン、Giggsのセカンド・アルバム『Let Em Ave It』が、リリース15周年を記念して再発されることが発表された。本作がアナログ盤としてリリースされるのは今回が初となる。2010年6月21日に〈XL Recordings〉より発表されたこのアルバムは、Giggsがより広いオーディエンスに向けて存在感を示した決定的な作品であり、UKラップにおける妥協なきキャリアの礎を築いた重要作となる。
サウス・ロンドンのストリートから生まれたGiggsは、唯一無二の声とリアルな表現でUKミュージックに新たなサウンドとスピリットをもたらした。重厚で独特なフロウと恐れを知らぬリリックが光る『Let Em Ave It』は、フィルターなしの荒々しさとルーツに忠実な姿勢が貫かれた、反骨精神あふれる作品である。「Look What the Cat Dragged In」や「Hustle On」、「Matic」といった代表曲を収録した本作は、UKラップにおける転換点として高く評価された。NMEは「ついにUKにも誇れるラッパーが現れた」と絶賛し、Dazedは「威圧感のあるOG bangerが満載」と称賛、Echoesも「Giggsに勝る者はいない」とコメント。批評家たちの評価も後押しとなり、本作は次世代UKラッパーたちへの扉を開くこととなった。
『Let Em Ave It』以降、Giggsはイギリス音楽界で最も尊敬される影響力ある存在となった。『When Will It Stop』(2013)、『Landlord』(2016)、『Wamp 2 Dem』(2017)、『Big Bad...』(2019)、『Now Or Never』(2020)、『Zero Tolerance』(2023)、そして2025年の『Ard Bodied』など、彼のアルバムはチャートを席巻し、MOBOアワードも受賞。Drake、Stormzy、Ed Sheeran、Popcaanといった世界的アーティストとのコラボも多数実現している。
そして今、15周年を記念して『Let Em Ave It』が豪華仕様のアナログ盤で再登場。オリジナルのアイコニックなイラスト・カバー・アートを使用し、イエローとブラックの2種のカラー・ヴァイナルでリリースされる本作は、当時の代表的なGiggsアンセムを収録したボーナス・ディスク付き2枚組仕様。B.o.Bをフューチャーした「Don't Go There」、Mike Skinnerとの「Slow Songs」、Shola Amaとの「Blow Em Away」、さらには時代を象徴する「Talkin The Hardest」など、貴重な音源も網羅している。
発売・販売元 提供資料(2025/06/23)
グライムとかロード・ラップというキーワードが投げ込まれた瞬間、ふだんヒップホップを無視してる層のUK幻想が盛り上がるのは興味深いですね。それはともかく、ペッカム出身だというこのギグスはスケプタの”Look Out”やワイリーの”Zip It Up”などに客演してきたMCで、XL経由で登場した本作が2枚目のアルバムとなる。この流れにディジー・ラスカルを重ねることもできるが、ロード・ラップと括られる連中はもっとあらかじめアメリカナイズされている感じで、本作もトラップ・ホップ以降の凶暴さとUKのベース作法が混交されたような聴き心地だ。インセイン・ウェインの関与もあってUS南部のローカル好きには直球のヤバい音が楽しめるし、何より主役の落ち着き払った語り口は抜群に格好良い。改作!
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.323(2010年7月25日発行号)掲載)