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構成数 : 1
【序文】
1990年代後半に札幌医科大学救急部に整形外科医として勤務することになったのがすべての始まりでした。札幌医科大学の整形外科では、代々「マイクロサージャリー」を専攻する医師が「救急部」へ行くことになっていましたが、それは他の施設では治療しづらい切断肢指に対応するためでした。それ以来、私は主として重度四肢外傷の治療に従事してきました。
初期の頃、今のように系統立った方針で治療するようなことはありませんでした。もちろん有名な「Godinaの論文」(Plast Reconstr Surg 78:285-292,1986)などを読んで早期軟部組織再建の重要性は認識していましたが、単に皮弁形成術を早期に行うという程度でした。症例個々の骨折型や骨欠損、神経、血管損傷、筋腱損傷を勘案して計画を立てるというレベルではなかったのです。 その頃、奈良県立医科大学の救急部に稲田有史先生という怪物がおられました。先生はすでに理論立てて骨接合から軟部組織再建までの一貫治療を行っており、他の医師のレベルから明らかに抜きん出ていました。私にとって稲田先生の存在はこの業界で仕事をする上での目標であり羅針盤でした。
やがて2000年にGopalが重度開放骨折に対する「Fix and Flap」なる論文(J Bone Joint Surg Br 82:959-966,2000)を出した頃と同じくして、私の中にも「治療戦略」なるものが徐々に構築されてきました。私は治療経験を積み重ね、それを論文にして報告してきました。
そして、この分野で治療をする医師たちが研鑽する場として、2009年に「第1回日本重度四肢外傷セミナー」を開催するに至りました。やがて数年が経過し、徐々に戦略が蓄積され、討論のレベルも上がってきました。そろそろ書籍としてまとめておいてはどうかというアドバイスを幾人かの先生方から受け、2015年に南江堂の枳穀智哉氏から書籍作成の話をいただきました。原稿作成は遅々として進みませんでしたが、他の外傷再建外科医仲間の助けを借り、ようやく出版に漕ぎ着けることができました。
本書は基礎編「Basic Point」と応用編「Case Learning」から構成されています。「Basic Point」は25項目としましたが、それぞれ第一線で活躍する外傷再建外科医に執筆をお願いし、それを私が再構成させていただきました。「Case Learning」では教育的示唆に富んだ24症例を選択し、治療の考え方を述べさせていただきました。
また、重度四肢外傷は"再建専門医"以外に救急医、整形外科レジデント、フェローなど様々な医師が関与します。そこで、それぞれの項目を「非専門家編」と「専門家編」に分け記載する工夫もしました。この世界に入り込んだばかりの方は非専門家編を中心に勉強されると良いかと思います。
この書籍が出版されることは、日本における重度四肢外傷治療の一里塚だと考えています。本書を手にした方々により、日本の患者さんがより良く治療されることを願っています。
2017年4月
土田芳彦
【内容目次】
Basic Point
01 救急処置室にて何を考え,何を準備するのか?
02 抗菌薬投与のルール:何を,いつ投与するのか?
03 デブリドマンの施行時期は?
04 デブリドマンの方法とは?
05 皮膚剥脱(デグロービング)損傷に対する考え方
06 コンパートメント症候群への対処法
07 血
運動器(上肢・下肢)の重度外傷においては,確実に救命したうえで後遺障害を防ぎ,クォリティの高い治療を達成するためには「外傷再建外科医」による技術と治療戦略が求められる.本書は重度四肢外傷の初期治療に直面する可能性のある一般整形外科医・救急医ら"非専門家"を対象とした「非専門家編」と,エキスパートの判断を掘り下げた「専門家編」の構成に分け,非専門家・専門家双方にとって必読の"日本における重度四肢外傷の標準的治療戦略"を解説している.
| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2017年05月02日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 南江堂 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784524259090 |
| ページ数 | 284 |
| 判型 | B5 |

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