ノース・カロライナ発プログレッシブ・メタルの雄=BETWEEN THE BURIED AND ME(ビトウィーン・ザ・ベリード・アンド・ミー)
11作目は過去に類を見ない独創的世界で我々を圧倒する意欲作『The Blue Nowhere』(ライト・ブルー・ホワイト・ヘイズ・ヴァイナル+2CD & ドア・ハンガー)
アメリカ・ノースカロライナ州で2000年に結成されたBETWEEN THE BURIED AND ME(ビトウィーン・ザ・ベリード・アンド・ミー)。2002年にセルフ・タイトル・アルバムでデビューを果たして以来、メタルコアを起点に、テクニカル・デスコア、プログレッシヴ・メタルへと音楽性の幅を広げ、深化させながら存在感を示してきた。彼らの圧倒的な演奏力、混沌とした世界観、音楽と表現の幅を貪欲に広げる姿勢は、コアなファンから絶大なる信頼を得ている。
そんな彼らの11作目となる最新アルバムが、2025年9月12日にリリースされる。本作は、2005年作『Alaska』から長年在籍していたリズム・ギタリスト、Dustie Waringの脱退後、4人体制で制作された初の作品となる。ギター・パートはすべて、Paul Waggonerが担当、さらに、プログレッシヴ・メタル界の名門レーベルInsideOutMusicから初めてリリースされる。『The Blue Nowhere』は、これまでで最も没入感に溢れ、未踏の音楽領域へと挑む彼ららしいアルバムに仕上がった。
アルバムの舞台となるのは「The Blue Nowhere」という名のホテルだ。しかし、いわゆる幽霊や怪しい人物を表現するといったホラー的要素はない。Tommy Rogersは今作に関して「この作品は"孤独"を感じる瞬間を描いている。誰にも見つけられず、現実から隠されたような場所。そこに存在する何かが、『The Blue Nowhere』なんだ。孤独を通して人間としての経験を振り返るアルバムになっている」。目まぐるしくギアチェンジしながら印象的なリズムフレーズが展開し、まるで万華鏡のように景色変わる10分超えの大作(3)「Absent Thereafter」は強烈な光を放つ必聴の1曲だ。
バンド史上でも類を見ない独創的内容となった『The Blue Nowhere』。作品のリリース後は、超過密スケジュールで全米を周るツアーが始まる。
本作は、オルタネート・ジャケット仕様、ライト・ブルー・ホワイト・ヘイズ・ヴァイナル 2枚組(LP2 にボーナストラック「Overture」収録)、CD1(メインアルバム)、CD2(メインアルバムのインストゥルメンタル・ヴァージョン)、さらにドアハンガーの付いた超豪華盤となっている。
<Between The Buried And Me>
Tommy Rogers - Vocals, Keyboards
Paul Waggoner - Guitars
Dan Briggs - Bass, Synth Bass, Keyboards
Blake Richardson - Drums, Percussion
発売・販売元 提供資料(2025/08/01)
ダスティ・ワーミング(ギター)の脱退後、初の4人体制で作った13枚目のアルバムが凄い。前作に続き70分超えの大容量で、10分以上の楽曲を3曲収録。その長尺曲が曲者で、プログレッシヴ・メタルの真骨頂を刻む暴れっぷりなのだ。オペラやスパニッシュなど雑多な要素をコミカルに継ぎ接ぎしており、奇才マイク・パットンに通じるぶっ飛んだアレンジが最高。
bounce (C)荒金良介
タワーレコード(vol.503(2025年10月25日発行号)掲載)