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在庫あり| フォーマット | SACDハイブリッド |
| 発売日 | 2025年09月05日 |
| 国内/輸入 | 輸入 |
| レーベル | BIS |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | BIS2332 |
| SKU | 4589538824136 |
構成数 : 1枚
【曲目】
1. ジョルジェ・エネスク(1881-1955):幼き頃の印象 Op. 28
- 第1番 吟遊詩人(1940)
2-5. ベーラ・バルトーク(1881-1945):
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ Sz. 117 / BB 124 (1944)
6-8. パウル・ベン=ハイム(1897-1984):
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ ト長調 Op. 44(1951)
9-11. ベルント・アロイス・ツィンマーマン(1918-1970):
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ(1951)
12. ウジェーヌ・イザイ(1858-1931):
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 Op. 27 No. 2 - マリンコニア(1923)
【演奏】
スーイエ・パク(ヴァイオリン)
【録音】
2024年3月18-21日
ドイツ、ブレーメン、Sendesaal
総収録時間:63分

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ヴァイオリン1挺、晒に巻いて旅へ出るのも修羅場の修行、てなように、冬にヴァイオリンの独奏曲集をひたすら聴いてみるのもよかろう。
世界中を席巻しているK-POPは、どこか最大公約数的な、万人向けに集約された愛玩物めいたセンスを売りにしているが、パク・スーイエのこのアルバムでの選曲センスは、それとは対極的な、でも根無し草の望郷の念みたいなところは共有してるような、しかし彼女はむしろ、割り切れないものにこそ意味を見出そうとして、名状しがたいものにこそ音を与えようとして、過剰なものを丁寧に拾っていこうとして、理不尽でありつつ不可避で根元的な迷路になんとか分け入って行こうとして、そこが興味深い。
とりあげられている旅人、というか、作曲家は、ジョルジェ・エネスク、ベーラ・バルトーク、パウル・ベン゠ハイム、ベルント・アロイス・ツィンマーマン、ウジェーヌ・イザイ、という、彷徨える欧州の5人。ヴァイオリン自体が流亡の民、遊牧民の楽器であり、彼らをヴァイオリンが旅させたのか、彼らがヴァイオリンを旅させたのか、そこんところの縺(もつ)れ合いもまた聴きどころであり、韓国人女性による端整な演奏で、手書き地図の繊細さで、当惑と惑乱の亡命者の足取り、その一挙手一投足、その戦(おののき)きがだしぬけに我らへと浮かび上がり、同道を迫る、或いは、道連れもなく独り去ってゆく、木霊(こだま)だけを残して。