叙情的かつ繊細に鳴り響くその音色…、その魅力にもう抗うことはできない…。
コンテンポラリー・ジャズ・ピアノ界で最も大きな影響力を持ち、ジャズからクラシック、そしてポップスやロックの魅力を独自の解釈で紡ぎながらジャズ・シーンの先鋭を歩み続ける存在、ブラッド・メルドー。彼がまた、そのあくなき音楽的探究心を羽ばたかせた作品を作り上げた…!
シンガー・ソングライター、エリオット・スミスの楽曲を独自の解釈で編曲したソングブック的作品『RIDE INTO THE SUN』が、2枚組アナログ盤でも登場!
「ブラッド・メルドーは、ジャズの音楽的語彙を広げるだけではなく、ジャズという音楽を現代化させる独自のスタイルを確率している」 ─ Mojo誌
新世紀を代表するジャズ・ピアニストとして、ジャンルを越えて、多くのアーティスト、ミュージシャンからも賞賛を浴びる鬼才ブラッド・メルドー。2021年にはオルフェウス室内管弦楽団とのコラボレーションによってクラシックの構成にジャズのハーモニーを融合させた作品を発表、2022年にはプログレッシヴ・ロックから受けた音楽的インスピレーションを表現した作品を、2023年にはザ・ビートルズの楽曲を彼独自の解釈で表現をした作品を発表、そして2024年にバッハとフォーレというクラシックの大家の作品をジャズに昇華させた作品を発表するなど、ジャンルにとらわれず自由にその創造性を羽ばたかせている彼が、また新たな音楽的探究の旅ともいうべき作品を届けてくれた。
今回彼が発表するのは、シンガー・ソングライターとして、そしてギタリストとしても非常に高い人気を誇る故エリオット・スミスの楽曲を、楽曲のそのものの本質はそのままに、そこのブラッド流の表現方法を用いながら独自の解釈で披露するソングブック的作品、『RIDE INTO THE SUN』だ。ここには、エリオット・スミスによる楽曲10曲に加え、本人曰く「エリオット・スミスの作品にインスピレーションを受け、サウンドに反映させた」という、ブラッド・メルドーによるオリジナル楽曲4曲、そしてエリオット・スミスもカバーしたことがあるビッグ・スターの「Thirteen」や、メルドー曰く「エリオット・スミスの先見の明のあるゴッドファーザー」であるニック・ドレイクの楽曲「Sunday」を追加した全16曲の音源が収録されている。
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発売・販売元 提供資料(2025/05/30)
今作には、グリズリー・ベアのメンバーとしても活動するシンガー/ソングライターのダニエル・ロッセン、パンチ・ブラザーズのクリス・シーリー(シンガー/マンドリン)、メルドーとも共演したことがあるベーシストのフェリックス・モーズホルム、今作のエンジニアとミックスも担当するジョン・デイヴィス、そしてフィオナ・アップルやトーリ・エイモス、ランディ・ニューマンといったアーティストとの仕事でも知られるドラマーのマット・チェンバレン、そしてメルドーが2010年に発表したアルバム『HIGHWAY RIDER』でも指揮を務めたダン・コールマン率いる室内オーケストラといったアーティストたちが参加している。
今回エリオット・スミスというアーティストに焦点を当てた作品を完成させたメルドーは、スミスと初めて知り合い、長年にわたり彼のレパートリーの一部となっているスミスの音楽を聴き始めたころを振り返り、こう語っている。「(ニューヨークで数年暮らした後ロサンゼルスに移り住んだ時、)そこにはラルゴというクラブに集まる、素晴らしいシンガー・ソングライターたちのシーンが存在していた。そこにはルーファス・ウェインライトやフィオナ・アップルといったアーティストがいて、そこにエリオット・スミスもいたんだ。そして、しばらくそのシーンで活動していたミュージシャンたちが、金曜日の夜にジョン・ブライオンが率いるギグに参加しにやってくるようになった。私はジョンと共に、エリオット自身の楽曲を演奏していたんだ。その経験は、数年にわたり花開いたソングライティングのルネッサンス的なものだと感じたのだ」。
「エリオット・スミスは、独特のハーモニーを通してだけではなく、明暗の融合を巧みに表現する稀有な才能の持ち主だった」と、メルドーは語っている。「具体的には、メジャーとマイナーを見事に組み合わせる独自の手法を持っていたんだ。それは、私がこのアルバムでも取り上げている楽曲「Tomorrow Tomorrow」の最後のヴァース・パートの直前に彼が用いた、独特かつ魅惑的なコード進行にも表れているよ。私は今回のこの楽曲を演奏する際、その進行を使い、ピアノ・ソロに展開させているんだ」。
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発売・販売元 提供資料(2025/05/30)