Il Commissario Pepe

Quartet Recordsは、GDMおよびEMI General Music Publishing と共同で、ウーゴ・トニャッツィとシルヴィア・ディオニシオ主演のエットーレ・スコラ監督のフィルム・ノワール映画『警視ペペ(Il commissario Pepe)』(1969 年)のアルマンド・トロヴァヨーリによる魅力的なスコアの拡張およびリマスター版を発表します。
この映画は、イタリア・ヴェネツィア地方の小さな町の警察本部長ペペ(トニャッツィ)が、二人の年金受給者が運営する売春組織を捜査する物語です。捜査を進める中で、元ネイリストが10人の生徒と同棲していること、知事の娘がポン引きを維持するために売春していること、有名医師が幼い患者と性交していること、校長が生徒たちに目を付けていること、貴婦人が別荘で乱交パーティーを開いていること、地元の修道院がレズビアンによって運営されていること、そして自身の恋人がハードコア雑誌のモデルになっていることなど、様々な事実が明らかになります。ペペは全てを明るみに出したいと考えますが、上司がそれを阻みます。

アルマンド・トロヴァヨーリとエットーレ・スコラのコラボレーションは、40年間の共演の中でイタリア映画界で最も有名なものの一つであり、特に『L'arcidiavolo』、『醜い奴、汚い奴、悪い奴(Brutti, sporchi e cattivi)』、『ジェラシー(Dramma della gelosia)』、『ラ・テラッツァ(La terrazza)』、『ラ・ファミリア(La famiglia)』、『パッション・ダモーレ(Passione d'amore)』などの名作を生み出した。スコラにとって、トロヴァヨーリの音楽は映画の声であり、映画を完成させる唯一の要素でした。『警視ペペ』では、Lydia McDonaldが歌う名曲「We'll Keep Trying」をはじめ、都会的でほろ苦いテーマの数々で、彼の音楽の中でも最も有名な作品の一つを手掛けました。これらの曲は、映画に描かれた道徳的腐敗の世界を鮮やかに描き出しています。このレコーディングには、I Marc 4、Edda Dell'Orso、Alessandro Alessandroniといった錚々たる面々も参加し、この音楽をさらに象徴的なものにしています。

『警視ペペ』から10曲を厳選したLPが、映画初公開時にRCAよりイタリアで発売されました。同じプログラムは1990年代にPoint Recordsからウーゴ・トニャッツィに捧げられたコンピレーション・アルバムの一部としてCD化されました。さらに18曲を収録した拡張版が2006年に日本でも限定発売されました。今回、完全版スコアがリリースされます。Claudio Fuianoがプロデュースし、Chris Maloneが修復とマスタリングを担当したブックレットには、Miguel Angel Ordonezによる映画、スコア、そしてトロヴァヨーリとスコラの関係についての詳細なエッセイが掲載されています。