DIY精神から生まれた、ジャズのアウトサイダーアート!
型破りなジャズを追求するバンド エビ・ソーダがニューアルバムをリリース!!
これまでにジャイルス・ピーターソン主宰のWe Out Here FestivalやSXSW、EFG London Jazz Festivalなどにも出演を果たし、〈Soul Jazz Records〉や〈Majestic Casual〉のコンピレーションにも名を連ねるUKジャズのアウトサイダー、エビ・ソーダが最新アルバム『frank dean and andrew』を〈Tru Thoughts〉よりリリース。
街から離れた南イングランドにある田舎の借家に篭って行われた即興セッションから生まれた本作は、ジャズの枠を超え、エレクトロニクス、ポストパンク、グライム、ダブといったあらゆるジャンルの要素を大胆に取り入れた、まるで"音楽の実験場"のような世界を築き上げている。
バンドはアルバム制作を振り返り「このアルバムは、激しい浮き沈みのあった1年の終わりに録音された。音楽にはその緊張感が奇妙な形で表れている… 楽曲の持つ感覚はとても特殊で風変わり。UKジャズの多くはアレンジが整いすぎていたり、全体的に楽観的なムードになりがちだけど、このアルバムはあらゆる面でその逆を行っている。」と語る。
今作では、ブリアルやゾンビー、ジョー・アーモン・ジョーンズらの影響を受けたアンビエンスや、アスレチック・プログレッション、ヤミィ・オンライン、プレイボーイ・カルティのような現代的なラフさを取り入れた、"UKジャズの未来形"とも呼べるサウンドを構築。全体を通してノスタルジックでありながら、どこか現代的な倦怠感やユーモアが交差する、唯一無二の世界観が広がっている。
アルバムの中心となる楽曲「red in tokyo」では、中国系・ベトナム系イギリス人ラッパー、ジアンボーが参加。唸るギターと鋭角的なドラムの上に、グライム風の歪んだフロウが切り込んでくる。ジアンボーが「東京での緊迫した瞬間」を語ったこの曲は、「グライム的な怒りにノーウェーブやポストパンクの要素を混ぜたような感じ」とバンドは語っている。
また「horticulturalists nightmare (birds)」では、ダビーなベースラインと動物的なノイズが交錯し、奇妙で不穏な音世界を描き出す。
「grilly」はダンス・チューン的なテンポと雰囲気を持ちながらも、Burialのような陰鬱なサウンドとエフェクトが絡み合う。
タイトル曲「frank dean and andrew」では、現代的な無関心さや、"家にこもっている感じ"の空気感を体現。チルでエモーショナルなコード進行、朧げなトロンボーンがローファイな質感で響く。後半にはフリューゲルホルンも加わり、じわじわと情緒が深まっていく。
ラストを飾る「insectoid creatures are infesting the land」は、混沌としたノイズと即興演奏から始まり、最終的に希望を感じさせるメロディへと昇華するシネマティックな一曲となっている。
「Ebi Sodaは気まぐれなビート・ジャズを生み出している」- The Vinyl Factory
「新しいバンドの中でトップ5に入る」- BBC 6 Music
「これは本当に最高!」- BBC Radio 2
「完全にノらせてくれるやつ」- Rinse FM
「エコーとディレイを駆使して広大な空間を創出」- BBC Radio 3
発売・販売元 提供資料(2025/05/08)
ジャズ・ファンクにアンビエントやダブ、トラップなどの諸要素を融合したブライトン産のクインテットがトゥルー・ソーツから新作をリリース。ジアンボーがラップする不穏でグライミーな"Red In Tokyo"もありつつ、全体的にジョー・アーモン・ジョーンズに通じる奥行きの深さに引き込まれる。曲名にも納得の"When Pluto Was A Planet And Everything Was Cool"が圧巻。
bounce (C)轟ひろみ
タワーレコード(vol.502(2025年9月25日発行号)掲載)