| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年05月22日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 八坂書房 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784896943788 |
| ページ数 | 358 |
| 判型 | A5 |
構成数 : 1枚
序論 都市をめぐる、もう一つの中世史
論点と史料 16
第I章 都市における〈女の一生〉──良家の子女から捨子まで──(アンドレア・バルディン+イェレ・ハーメルス)
喜ばしき誕生/幼子から少女へ/大人になること/大人の女性とその身体/ひとたび結婚すると/独身女性──おひとりさまと寡婦──/結び
❖──女性のモード/美の理想/女性と貧困
第II章 女性と結婚──パートナーの選択、婚姻をめぐる争いと様々な関係──(シャネル・ドゥラメイユール)
結婚──法制度、準備、そして儀式──/誘拐と意に添わぬ結婚/愛、色欲、そして嫉妬/結婚後のトラブル──偽誓と姦淫──/離縁と再婚/結び
❖──結婚の贈り物/「心付け」とカラー・コード/庶民の声?/家庭内での愛情、文学作品が説くところでは
第III章 女性と財産・投資・ビジネス──女が企業家になる方法──(アンドレア・バルディン)
元手を手にすること──相続権──/自由と後見の狭間に立つ成人女性/女性の財産に対する脅威と保護/女投資家・投機家/ヤンネ・スヒュッツの物語/ジェンダー的役割観および伝統的見解の重み/結び
❖──参審人登録簿──日常生活を検証するための金の鉱脈──/クリスティーヌ・ド・ピザン(一三六四頃〜一四三〇年)
第IV章 敬虔な女性たち──「共に、いとも清く生きる」ベギンについて(キム・オーフェルラート)
数字から見たベギン運動/ベギンホフの創建と発展/外での付き合いを拒絶する敬虔な女性たち?/よき名声とよき家門?/女職人──生きるためか、ビジネスか──/「ベギンらの言葉と振る舞いについて」/結び
❖──修道女/看護人としてのベギン/ベギンの装束
第V章 現場で働く女性たち──同職組合の内と外で──(ネナ・ファンデウェールト+イェレ・ハーメルス)
都市の同職組合/闇市/同職組合のなかの女性たち/核家族のなかの既婚女性/独身女性たち/働く寡婦たち/結び
❖──女の魚/祈禱師/芸術畑の女性たち
第VI章 「性悪女Quade wijven」──女性と暴力、犯罪、そして暴動──(イェレ・ハーメルス)
数値/殴打、盗み、死、そして処罰/自殺、魔術、姦淫について/侮辱と喧嘩/政治的抗議と女性の反乱/結び
❖──巡礼について/女性によって、そして女性に向けて、よく用いられる罵り言葉/中世において反乱を起こすこと
第VII章 エロスと女性──セクシュアリティ、性的同意、そして売春───(シャネル・ドゥラメイユール+イェレ・ハーメルス)
女性とセクシュアリティ/強姦、同意、そして強要されたセックス/売春──都市社会の只中で、しかしまた周縁でも──/「ふしだらな女たち」の館で/快楽の娘たち、快楽のための娘たち?/間違いが起こったら……/結び
❖──女性と性的悦び/刑吏と娼婦/ストーフ
結論│「賢い女たち」について
謝辞
原註
訳者あとがき
索引
史料/参考文献
「中世の秋」の街頭風景は、ほんとうはどれくらい「女の顔」をしていたのだろう?
未曾有の経済的繁栄を背景に活気づく中世後期のネーデルラント諸都市で、女性たちはいかに生を享け、愛を育み、結婚し/あるいは結婚せず、地道に働く、信心や技芸に没頭する、投資・蓄財にはげむ……などなど、それぞれの人生と向き合ったすえに、どのような老後を迎えていたのだろうか。都市に蓄積された厖大な史料を丹念に掘り起こし、商人、職人、投資家、芸術家、ベギン、娼婦など、
さまざまな立場の名もなき女性たちの肉声を「聞き書き」さながらに再現、女性にとって暗い時代とされることが多い西欧中世のイメージを覆してみせ、女性史研究に新地平をひらいた画期的論考の全訳。図版多数。

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