現代作曲家バクリ、ジャレル、エスケシュが
名手ルルーに捧げた作品を世界初録音!!
エスケシュ作品ではバティアシュヴィリとの共演も実現!
オーボエ奏者フランソワ・ルルーが現代作曲家ニコラ・バクリ(1961-)、ミカエル・ジャレル(1958-)、ティエリー・エスケシュ(1965-)のオーボエ作品を集めたアルバム『フューチャー・ホライゾンズ(未来の地平線)』をPENTATONEレーベルよりリリース!
アルバムのタイトルは現代作品を通してクラシック音楽の幅を広げたいというルルーの思いが込められており、オーボエという楽器の新たな可能性を広げます。どの作品もルルーとの出会いによって生まれた傑作揃い。世界屈指の名手の存在によりそれぞれの作曲家が触発され作曲された入魂の作品です。エスケシュ作品ではルルーの愛妻リサ・バティアシュヴィリとの共演が実現。アンドレス・オロスコ=エストラーダ率いるフランクフルト放送交響楽団とともにこの難曲を見事に演奏しております。
「ノットゥルノ(Notturno)はモテット第7番「オ・ルクス・ベアティシマ(O Lux beatissima)」とヴェアトゥス・ヴィル(beatus vir)のちょうど間の時期に作曲した、オーボエと弦楽のための作品です。完璧な和音から無調の半音階への移行するこの作品はモテット第7番と対をなす叙情的な瞑想曲です」(ニコラ・バクリ)
「アクアチント(Aquateinte)とは版画の凹版技法のひとつアクアチント技法を意味します。私は以前からオーケストラの作曲において、線ではなく点で構成された表面を作り、さまざまな色合いを作り出すこの技法を模して音の混ざり合いを表現したいと思っていましたが、フランソワ・ルルーとの出会いで実現することができました。彼とは過去に何度か仕事をしたことがありますが、彼は難なく作品をマスターし、詩情豊かに"歌う"ことができる稀有な才能の持ち主であることを目の当たりにしてきました。彼に出会わなければ、私はおそらくこのような技術的に難しい作品を作曲する勇気はなかったと思います」(ミカエル・ジャレル)
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PENTATONE
発売・販売元 提供資料(2025/04/21)
「私にとって理想的な"トリオ"を集めることがこの曲を書く出発点でした。フランソワが私の作品をいくつか演奏するのを聴いたとき、楽器を"歌わせ"、豊かな音楽を奏でられることに深く感銘を受けました。また、私は長い間、崇高な表現力を持ったリサのために作曲することを夢見ていました。2人とはこれまで音楽祭や私自身がオルガンやピアノを演奏する即興演奏会で共演してきましたが、その経験からこの二重協奏曲のアイディアが生まれました。しかし、唯一欠けていたのは私たちを結びつける"トリオ"のもう一人の存在でした。私は3人目の音楽家をJ.S.バッハにすることにしました。2人のソリストが織り成す複数の対位法の交錯とバッハの作品(ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 BWV1060)が、まるで鏡のように重なり合うように作曲しました。この作品は即興の輝きと舞曲を思わせる躍動感を複雑な構造に仕上げたバッハへのオマージュでもあります」(ティエリー・エスケシュ)
「アーティストにとって『創造』とは"究極の地平線"といえ、演奏家として、明日に向け、未来に向けて常に新たなレパートリーを演奏し、育んでいく行為だと私は思います。ニコラ・バクリ、ミカエル・ジャレル、ティエリー・エスケシュといった類まれな作曲家たちとのコラボレーションは私にとって"創造の神秘"に近づくことを意味します。それは演奏家が奏でることでようやく作品が日の目を見ることができるという、世界初演ならではのスリルを味わうということでもあります。フランクフルト放送交響楽団とマエストロ、アンドレス・オロスコ=エストラーダはこれらの素晴らしい作品の演奏に対して献身と情熱を注いでくれました。心より感謝申し上げます。バッハ、モーツァルト、ヴェルディ、リストの時代と同じように、今回録音した作品は私たちの日常生活に寄り添い、私たちの内面に響き、そして私たちの現在を照らしていると思います」(フランソワ・ルルー)
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PENTATONE
発売・販売元 提供資料(2025/04/21)
ルルーが現代を代表する3人の作曲家への委嘱作を集めたアルバム『フューチャー・ホライゾンズ』は、現代作品を通じオーボエの新たな可能性を探求。バクリのノットゥルノは、完璧な和音から無調の半音階への移行する瞑想曲。ジャレルのアクアチントは、版画の凹版技法のひとつを意味し、音の混ざり合いを表現したいというで思い作曲。そして、ルルーの愛妻バティアシュヴィリとの共演が実現した作曲家・オルガニストのエスケシュの二重協奏曲は、バッハ作品への賛辞も表現した意欲作。「創造とは究極の地平線」と語るルルーにとって、これらの作品のリリースを実現したPENTATONEにも賛辞を贈りたい。
intoxicate (C)平嶋裕治
タワーレコード(vol.178(2025年10月10日発行号)掲載)