| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年05月18日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | ボーンデジタル |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784862466389 |
| ページ数 | 168 |
| 判型 | B5 |
構成数 : 1枚
本書を刊行しようと思った最初のきっかけは、2024 年のある日、ふと1954年の映画「ゴジラ」のポスターイメージが頭をよぎったことです。その時、怪獣ゴジラの姿より先に「ゴジラ」というタイトルロゴが思い浮かびました。極太の手書きのカタカナで「ゴジラ」と。
その思い浮かんだイメージを確認しようとネットで検索したら、確かにイメージ通りのポスターが表示されました。
ポスターの左側に縦に大きくゴジラとあります。
このオリジナルゴジラの映画は私の生まれる前に上映されており、実際に自分が映画を観たのは大人になってからですが、多分物心ついた頃からこの「ゴジラ」の書体は脳内に保存されていたと思います(同様に映画「七人の侍」のポスターも、登場人物より先に書体が思い浮かびます)。
さて、この「ゴジラ」の書体、主に直線の箱型で組まれていて、赤文字に白の縁取りと、実にシンプルです。それなのにこの3 文字には恐怖や破壊が内包されています。これこそ文字の力ではないでしょうか。
そんなことを頭の片隅に置きつつ、最近の印刷物を眺めていて、ほとんどの文字が脇役、ビジュアルの説明コピーに位置付けられていることに気付きました。
いや、とっくに気付いていたのですが、現在の印刷物とゴジラのポスターの差異を改めて認識したのです。
印刷物における文字は手書き、活字、写植、デジタルフォントと進化してきました。
生産性の向上の陰で、失われていったもの。それは揺らぎとノイズではないでしょうか。
揺らぎとノイズは割り切れない。有機的であり感情的でもあります。それをデジタル時代に取り込むことはできないだろうか。そんな問題提起のみで本書をスタートしました。
さて、ステージはなんとかできました。ここから何が生まれるのかまったく分かりませんが、本書に作品をお寄せいただいた文字クリエイターの皆様のステージを、しっかり育てていきたいと思っています。

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