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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年06月13日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 青弓社 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784787235596 |
| ページ数 | 196 |
| 判型 | 46 |
構成数 : 1枚
序 章 戦後社会と病を歴史社会学の視座から問い直す 土屋 敦
1 「戦後」とはどのような時代だったのか
2 本書の四つの視角
第1章 結核とともに療養生活を生きる――人とモノの連関からみる病 西川純司
1 人とモノの連関を記述する――アクターネットワーク理論
2 国立療養所の治療法
3 療養生活を生きる
第2章 病をめぐってせめぎ合う論理――一九五〇/六〇年代の全患協運動とハンセン病問題 坂田勝彦
1 ハンセン病療養所入所者による運動とその軌跡
2 その運動はまず何を目指して闘ったのか
3 らい予防法闘争後のハンセン病療養所と全患協
4 生きていく場所を守るための闘いへ
第3章 国立肥前療養所の開放医療――医療アーカイブズに基づく分析とその課題 後藤基行
1 精神病院の大規模開放化と国立肥前療養所
2 伊藤正雄と肥前療養所の開放管理の概況
3 開放管理下での患者動態の分析
4 肥前療養所の開放管理と医療アーカイブズ
第4章 「私憤」と「公憤」の一九七〇年代――種痘と森永ヒ素ミルク中毒事件の「後遺症」をめぐって 香西豊子
1 事例を理解するための三つのキーワード――後遺症/私憤/公憤
2 「後遺症」・「私憤」・「公憤」の要点
3 種痘の事例にみる後遺症
4 森永ヒ素ミルク中毒事件の事例にみる後遺症
第5章 スペクトラムとしての公害――安中公害と論争が消えた病 宇田和子
1 公害病の定義とその含意
2 複数の原資料が照らす安中公害
3 一九五〇―七〇年代の病をめぐる論争――飯島文庫の資料から
4 二〇一〇―二〇年代における病の経験の後景化――筆者らの調査から
5 論争が消えた病
終 章 「戦後社会と病」のドミナント・ストーリーの異化と再構築 土屋 敦
1 ドミナント・ストーリーの異化と再構築
2 四つの視座から得られたこと
3 「戦後社会と病」の歴史を描くこと
あとがき 坂田勝彦
私たちは、多くの疾病が医学の発展によって撲滅された「歴史」、あるいは高度経済成長期の公害が多くの人々を苦しめ、それを是正するために様々なアクターが力を尽くした「歴史」を知っている。だが、紋切り型の歴史理解によって、それぞれの疾病や公害が固有に抱える問題を見逃してきてしまったのではないか。
本書では、ハンセン病、結核、精神疾患、健康被害、公害を主題として取り上げる。そして、患者や医師、医療機関、企業、行政、そして家族、支援者など、病をめぐる問題に関わった人々が実際に何を考え、どのように行動し、いかなる役割を果たしたのかを、コアな一次資料を徹底的に調査することで明らかにする。
「戦後社会と病」をめぐる紋切り型の歴史認識=「神話」を解体し、経験的・実証的分析を通じて病と社会のありようを問い直して、忘却に向き合い、社会認識をアップデートする社会学の成果。

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