Underground＜限定盤＞

先日リイシューされた『Overground』から、Aphex Twin がファッション・ブランド Supreme のために制作したプレイリストに「Roxy」が収録されるなど、あらためて注目を集めているイタリア・ライブラリーの巨匠 Sandro Brugnolini。その『Overground』と同時期に同じスタジオで録音された姉妹盤ともいえるのが、この『Underground』だ。

Silvano Chimenti (guitar), Angelo Baroncini (guitar), Giorgio Carnini (organ and piano), Giovanni Tommaso (bass and effects), Enzo Restuccia (drums)といったイタリア屈指のミュージシャンが集結したこのセッションは、60年代後半のサイケデリックサウンドに深く根付きつつ、ジャズの即興演奏、ファンク、ラテンやアフリカのリズムとシネマティックなメロディーを独自の方法で融合させたものだった。Brugnolini が確固たる地位を築く決定打となったこの2作は、イタリア・ライブラリーミュージック黄金期を代表する傑作であり、今なお最も入手困難な作品の一つとして知られている。

2024年、先に再発された『Overground』は、元々は Ente Provinciale Per Il Turismo Di Trento の委託を受けたドキュメンタリー映画『Persuasione』のサウンドトラックとしてリリースされたものだった。一方の本作『Underground』は、1950年代後半に Alessandro Derevitzky によって設立されたライブラリ/サウンドトラック・レーベル、Record TV Discograficaから、RT 104とRT 16という規格番号で、別々のタイトルでリリースされていた。

今回はそのRT 104を完全再現。オリジナルのトラックリスト、アートワークで復活させたものだ。もちろん音質や紙質にも細心の注意が払われている。 Timmion Cutting の Jukka Sarapaa によってカッティングされたオリジナルのモノラルテープとラッカーから丁寧にリマスター。そして Record TV Discograficaのレーベルデザインアートワークを丁寧に復元し、高品質のカード用紙に印刷した仕様でのリイシュー。500枚のみの限定プレスとのことなので、気になる方はお早めに!