Roxy Musicの作品として世に出る可能性があったBryan Ferryのソロ13作目のスタジオ・アルバムです!英米の豪華ゲスト参加も話題となりました。
Virgin Recordsからリリースされた13作目のスタジオ・アルバム。Roxy Musicの名盤、『Avalon』(1982)後初となるバンドの作品となる可能性があり、数多くの著名なゲスト・ミュージシャンが参加。レコーディング・セッションにもRoxy Musicメンバーも参加していたにもかかわらず、Bryan Ferryの作品としてリリースされたアルバム。2002年の『Frantic』以来のオリジナル楽曲中心の作品としても知られている。
■ボーナス・トラック:2曲収録
■仕様:Bryan Ferry自身が刷新されたアートワークを監修 / 大きめの日本式デジスリーヴ
発売・販売元 提供資料(2025/04/28)
There are two headlines for Olympia, Bryan Ferry’s 13th solo album. The first is that it’s Ferry’s first collection of primarily original material since 1994’s Mamouna -- of the ten songs only Tim Buckley's “Song to the Siren” and Traffic's "No Face, No Name, No Number" are from another author -- the second is that among the many collaborators here are Brian Eno, Phil Manzanera, and Andy MacKay, all original members of Roxy Music, their presence suggesting a return to the chilly art of Roxy’s earliest records. Neither headline tells the real story: Olympia is Ferry’s most seductive album since Avalon, a luxurious collection of softly stylized sophistication. Instead of pushing into new territory, Ferry focuses on refinement, polishing his signatures -- primarily songs so slow they seem to float, and also the occasional high-end piece of pristine pop-funk -- until they’re seamless, the textures shifting so subtly that when the chorus of “Heartache by Numbers” turns eerie, the change in atmosphere is almost subliminal. Such command of mood is a tell-tale sign of a quiet perfectionist, but Olympia doesn’t feel fussy; it’s unruffled and casually elegant, its pleasing familiarity reflecting the persistence of an old master honing his craft. ~ Stephen Thomas Erlewine
Rovi
あの人の在/不在ばかりが気にされる様子を見るにつけ、その音楽の何たるかがまるで置き去りにされているようにも思いつつ、一応強調しておくと・・・・・・前作『Dylanesque』(2007年)に続いてイーノ先生も参加したブライアン・フェリーの新作がこの『Olympia』である。まあ、再会を果たした『Mamouna』(94年)以降、ほぼすべての作品にイーノは招かれているし、例によってそこはさほど重要じゃない。今回フェリーが狙ったのは恐らく、ロキシー・ミュージック『Avalon』(82年)よりも、それをデヴィッド・ギルモア(今回も参加)らとソロで再構築した『Boys And Girls』(85年)のアップデートに違いないからだ。後者で初合体したマーカス・ミラーやナイル・ロジャースがここでもコンテンポラリーでまろやかな黒さを紡ぎ出しているのは示唆的だし、緊迫感に溢れた先行シングルの”You Can Dance”やシザー・シスターズとの共作でうっとりと飛翔する”Heartache By Numbers”などを聴けば、いつも以上にボトムを重視した作品であることもわかる。ドラムスに(奇しくも『Avalon』の終曲”Tara”を捧げられていた)愛息のタラを据えたこともグルーブのタイトな瑞々しさに直結しているのかもしれない。前々作『Frantic』でも組んだジョニー・グリーンウッドら、脇を固める面々も磐石。で、そうしたお膳立てをみずから用意して、主役のフェリーも朗々としたヴォーカルをアトモスフェリックに行き渡らせている。<フジロック>でのステージも素晴らしかったそうだが、だとしたらそれは彼が現役だからだろう。これはいい!
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.326(2010年10月25日発行号)掲載)
今年、ロキシー・ミュージックとして<フジロック>で来日したブライアン・フェリー。数年前からロキシーの新作をレコーディングしているというニュースが流れていたなか、ソロ名義のニューアルバム『Olympia』が届けられた。注目すべきはゲスト・ミュージシャンの豪華さで、なかでも再結成ツアーへの参加を断ったブライアン・イーノがクレジットされていることに驚かされる。もちろん、再結成に関わったオリジナル・メンバーのフィル・マンザネラやアンディ・マッケイも参加。後期ロキシーをサポートした名ドラマーのアンディ・ニューマークも顔を出し、ロキシーのエッセンスがたっぷりと注入されている。さらに若い世代との共演にも意欲的で、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドやプライマル・スクリームのマニ、レッチリのフリーなどの参加に加え、シザー・シスターズやグルーヴ・アルマダとの共作曲も収録。また、一曲のなかでデヴィッド・ギルモア、ナイル・ロジャース、クリス・スペディングといった複数の大物ギタリストを招くなど、ミュージシャンの贅沢な使い方はフェリーらしいこだわりだ。もちろん、そうした、<素材>のリッチさに頼らず、厳しく音を見極めて最上のサウンドを作り上げるフェリーの完璧主義者ぶりは健在。官能と苦悩を行き来する独特のヴォーカルに象徴されるような、艶やかな揺らめく(グルーヴ)がアルバムを隅々まで満たしている。ロキシー・サウンドの手触りも感じさせる本作は、ある意味名作『Avalon』の続編ともいえるかも。
bounce (C)村尾泰郎
タワーレコード(vol.326(2010年10月25日発行号)掲載)